探訪

「接続箱のスイッチまで備蓄」「積雪は比較的少ない」、飯田の里山のメガソーラーの7年(page 3)

防草シートの効果は持続

2021/06/29 05:00
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
印刷用ページ

発電設備の備蓄を厚く確保

 第一実業の太陽光発電所の運営で特徴的なのは、損傷したり寿命によって交換することが想定される設備や部品・資材について、できるだけ多く備蓄している点にある。

 ビル関連の事業の経験に基づく運用といい、例えば、太陽光パネルや接続箱のスイッチを多く備蓄している。太陽光パネルの場合、年々、性能が向上することから、いざ交換が必要になった時に、同じ製品を確保するのが難しいという問題がある。

 異なる製品に変える場合、経済産業省への申請の手間だけでなく、同じ外形寸法の製品が手に入りにくくなる可能性もある。接続箱のスイッチも、太陽光パネルと同じように、頻繁に製品が切り替わり、寸法が大きくなった製品をどのように固定するかという問題も予想されるため、当初から備蓄しているという。

 太陽光パネルが割れることで交換する頻度は、比較的少ない。飯田サイトではゼロ枚の年から多くても年に2枚、笠間サイトはさらに少なく、これまでに1枚しか割れていないという。それでも飯田サイトでは、パネルの備蓄を途中からさらに追加した。

 パワーコンディショナー(PCS)についても(図6)、構成している数百点に及ぶ部品や資材について、メーカー経由で調達できるものであっても、部品・資材メーカーに連絡をとり、入手の可否や耐久性、耐用年数などを独自に調査している。生産中止などが想定されるために、このような運用を重視しているという。

図6●PCSはTMEIC製
(出所:日経BP)
クリックすると拡大した画像が開きます

 PCSの大規模点検・修繕については、メーカーの推奨通りに実施している。飯田のメガソーラーは東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製、笠間では明電舎を採用している。

 また、中部電力の管内でも、太陽光発電所に対して出力抑制の準備が求められている。この対応として2020年末に、PCSに遠隔制御機能を追加した。

 太陽光パネルは三菱電機製を設置している(図7)。飯田市にある三菱電機の工場で製造した太陽電池セル(発電素子)が使われている。第一実業は、太陽光発電所の建設に際し、立地地域の活性化に貢献するという方針を持っている(2014年7月掲載のメガソーラー探訪)。

図7●太陽光パネルは三菱電機製
(出所:日経BP)
クリックすると拡大した画像が開きます

 これまでの発電状況が良好なほか、アルミフレームに水を流すための切り込みがあるのが利点となっている。土埃などがパネル表面にたまっても、雨水と一緒に流れ落ちる効果がある。

 飯田サイトでは、春などにパネル表面が黄色っぽく汚れる傾向がある。花粉によるものとみられ、これも雨の後にはほぼきれいに流れ落ちていくという。

  • 記事ランキング