小型PCSが3台故障し交換
O&Mサービスを担当している大和ハウスは、法律の求める内容などを考慮し、高圧太陽光と低圧太陽光では保守・点検の内容も変えている。そもそも高圧サイトの場合、電気保安業務は電気主任技術者が主体にO&M事業者と連携して実施することになる。南アルプス太陽光発電所では、関東電気保安協会に委託している。
頻度については、年次点検と6カ月点検は共通だが、月次点検については高圧サイトに限定している。南アルプス市の太陽光では、高圧サイトに関しては2カ月に1回、月次点検を実施し、高圧受電設備とPCSを点検する。高圧設備に対する月次点検は法廷では3カ月に1回だが、独自に点検頻度を増やしているという。
また、日常業務に関しても、違いがある。平日に監視装置をリモートで確認している点は共通だが、異常が発生した場合、休日も含めて携帯メールにアラートを送信する仕組みを導入しているのは高圧サイトだけにしている。
2020年11月9~10日には、低圧サイトの年次点検を実施した。内容は、低圧幹線の絶縁測定、PCSのほか、接続箱や集電箱、エコめがね盤、引込開閉盤などの点検、パネル全数の絶縁測定・目視点検など。ケーブルのたるみやシールも確認した。
その結果、PCSの連系不良が3台見つかり、メーカーに依頼して修理したという。割れたパネルやクラスタ異常のパネルはなかったものの、内部抵抗値の異常を検出したパネル2枚を交換した。
実は、低圧サイトのPCS交換については、年次点検の前にも、遠隔監視などによって故障を発見し、2020年7~8月に3台を交換しているという。
低圧分割による太陽光は小型PCSによる分散型システムになる。「南アルプスソーラーパーク」では、14区画全体で167台の小型PCSが稼働している。インテグリティ・パートナーズでは、「多数の小型設備が分散して運用されるため、稼働後のO&Mでは予想以上に手間がかかることが分かってきた」と話す(図9)。