雷で停止も2時間内に復旧
一方、高圧サイトに関しては、2021年1月20日に関東電気保安協会を主体に年次点検を実施した。高圧と低圧の絶縁抵抗、接地抵抗の測定、継電器の試験、接続箱の開放電圧測定のほか、キュービクルを清掃し、変圧器や高圧受電盤を目視点検し、変圧器漏れ電流などを測定した。点検・検査の結果、機器の不具合など異常はなかった。
高圧サイトに関しては、2020年8月12日に異常を知らせるメールが発報され、PCSが停止したことがあったという。午後4時ごろ、「系統異常」を知らせるアラートがあり、4台のPCSが止まった。原因は雷などの影響と推定された。保安協会が駆けつけて復旧作業を行い、午後5時43分に運転を再開し、売電ロスは最小限に抑えられた。
低圧分割サイトに比べ、高圧サイトの運用が順調なのは、システム構成がシンプルなことに加え、南アルプス太陽光発電所の場合、O&M事業者と電気保安協会が連携して2カ月1回の頻度で月次点検を実施するなど、予防保全が徹底していることも大きそうだ。
●設備の概要
発電所名 | 南アルプス太陽光発電所 |
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住所 | 山梨県南アルプス市鏡中條 |
運営 | インテグリティ・パートナーズ合同会社 |
設置面積 | 4万3503m2 |
出力 | 太陽光パネル出力・2520kW、連系出力1990kW(過積載比率1.26倍) |
年間想定発電量 | 336万kWh |
EPC(設計・調達・施工)サービス | 大和ハウス工業 |
O&M(運用・保守) | 大和ハウス工業 |
太陽光パネル | 現代重工業製(250W/枚) |
パワーコンディショナー(PCS) | 東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製(500kW機) |
パネル設置角 | 20度 |
運転開始 | 2014年6月 |
売電単価 | 40円/kWh |
売電先 | エバーグリーン・マーケティング |
●設備の概要
発電所名 | 南アルプスソーラーパーク(低圧発電所14区画) |
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住所 | 山梨県南アルプス市鏡中條 |
運営 | インテグリティ・パートナーズ合同会社 |
設置面積 | 1万225m2(14区画の合計) |
出力 | 太陽光パネル出力・668kW、連系出力572kW(14区画の合計)(過積載比率1.17倍) |
年間想定発電量 | 74.5万kWh(14区画の合計) |
EPC(設計・調達・施工)サービス | 大和ハウス工業 |
O&M(運用・保守) | 大和ハウス工業 |
太陽光パネル | ハンファQセルズ製(250W/枚) |
パワーコンディショナー(PCS) | デルタ電子製(4kW機) |
パネル設置角 | 10度 |
運転開始 | 2014年10月 |
売電単価 | 36円/kWh |
売電先 | 東京電力パワーグリッド |