探訪

わずか1年でヤギが倍増、将来はチーズ製造も、長崎・柿泊町のメガソーラー(page 5)

1年で7頭から13頭に、農業ビジネスとの連携も模索

2021/08/31 05:00
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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度重なる出力抑制で、九電によるオンライン制御に変更

 発電量については、これまで月ごとに増減はあっても、年単位でみると、極端に大きな増減はない状況が続いてきた。

 2021年は、6~7月が例年以上に好調だった。雨天の日が例年よりも少なかったためである。

 しかし、8月に入ると一転し、長雨の日が続いている。このような感じで、1年を通じ見ると、概ね平準化された実績になっているという。

 また、3~5月は、九州電力送配電による出力制御(出力抑制)が日常的に課されていたという。出力抑制に関し、チョープロは新たなシステムの導入に踏み切った。

 チョープロの太陽光発電所は、2カ所を除いて、年間最大で30日まで無補償で出力が抑制される「30日ルール(旧ルール)」を条件に連系している案件になる。

 チョープロが開発した太陽光発電所は、基本的に遠隔による稼働停止を導入してきた。「30日ルール」の発電所は、出力抑制を実施する日の前日の午後に九州電力から電話と電子メールで連絡が入り、翌日の8時~16時の発電停止を求められる。チョープロは、その指示に従って翌日の8時~16時の間、すべてのPCSの稼働を止める。この稼働停止は遠隔からのタイマー設定で実施する。

 一方、「無制限・無補償」の出力抑制が接続条件となっている「指定ルール」の太陽光発電所では、九州電力送配電が直接、出力を抑制するオンライン制御が導入されている。

 こうした発電所では、事前に発電事業者への連絡はなく、チョープロが運営している指定ルールの発電所でも、遠隔監視によって出力抑制の実施を知ることになるという。そして、現状では出力抑制の時間が短く、電力需要のピーク時とされる11時ころ~15時ころのうちの約3時間にとどまっている。

 「旧ルール」のメガソーラーでも、対応したシステムを導入し九州電力送配電によるオンライン制御に移行した場合、同じように1回の出力抑制が3時間程度に留まることが多くなるため、出力抑制量が減るとされている。

 チョープロでは、所有する発電所のうち、「旧ルール」と「指定ルール」の発電所での実績を比べた。2020年の出力抑制の結果から、同じ状況が続く場合、九電によるオンライン制御に移行した方が、費用対効果が高いと判断した。

 このオンライン制御の移行が、ほぼ完了したという。EPCの九電工を通じて、PCSメーカーのTMEICに相談したところ、予想していた以上に移行作業が早く進んだとしている。

●発電所の概要
発電所名SOL de 長崎 柿泊
所在地長崎県長崎市柿泊町1887番地3ほか
設置面積4万1964m2
太陽光パネル出力約1950.3kW
連系出力1500kW
年間予想発電量約161万kWh
施工費約4.4億円
発電事業者チョープロ
EPC(設計・調達・施工)サービス九電工
O&M(運用・保守)チョープロ
太陽光パネルソーラーフロンティア製
パワーコンディショナー(PCS)東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製
着工時期2013年8月
売電開始時期2014年2月
固定価格買取制度(FIT)による売電単価40円/kWh(税抜き)
売電先九州電力
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