探訪

サイト内に農業用ため池、町と水利組合と連携して管理、宮城・松島のメガソーラー(page 2)

タカラレーベンがトリナの開発案件を事業化

2021/09/14 06:55
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 松島町のメガソーラーは、トリナ・ソーラー・ジャパン・エナジー(東京都港区)による開発案件である。同社から約43億2000万円で取得して事業化した。トリナ・ソーラー・ジャパン・エナジーは、中国の太陽光パネル大手、トリナ・ソーラーの実質的な100%子会社で、日本国内で太陽光発電プロジェクトを手がけている。

 事業主体はSPC(特定目的会社)になる。認可や権利の取得のほとんどや、EPC(設計・調達・施工)サービス、稼働後のO&M(運用・保守)サービスまで、トリナ・ソーラー・ジャパン・エナジーが一貫して担当することに利点がある。

 太陽光パネルはトリナ・ソーラー製、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した(図3)。

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図3●トリナ・ソーラー製の太陽光パネル、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製のPCS
図3●トリナ・ソーラー製の太陽光パネル、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製のPCS
(出所:タカラレーベン)
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 FITに基づく売電単価は24円/kWh(税抜き)で、2020年9月に売電を開始した。初年度の年間予想発電量は、一般家庭約6000世帯分の消費電力に相当する、約1万7960MWhを見込んでいる。

 宮城県の規定する開発要綱の対象となる案件で、認可や権利関係はトリナ・ソーラー・ジャパン・エナジーがほぼクリアした状態で引き継がれた。

 大きな特徴に、ため池がある(図4)。

図4●ため池の様子
図4●ため池の様子
(出所:タカラレーベン)
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 元の敷地の中央付近に、農業用のため池があった。ここに雨水をためて、下流の田んぼで水が必要な時期に、適切に流していく。

 メガソーラーの設置に際し、この池を増強した。池の規模を約1.8倍に拡大した上、より強固な防災機能を加えた。農業用水という本来の役割に加えて、メガソーラー内に降った雨水を、短時間に下流に流さないための調整池としての役割も加えた。

 農業用水としても使うため、従来のため池としての運用を継続している。雨水は濁ったまま敷地外に流さず、ある程度の期間、貯めておき、泥などを池の底に沈殿させて上澄みのきれいな水を敷地外に流している。

 池の増強や運用については、トリナ・ソーラー・ジャパン・エナジーによる開発当初から地域の関係者と協議し、SPCが松島町、現地の根廻水利組合と協定を結んでいる。発電所の稼働後は、町や水利組合と役割を分担し、管理している。

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