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阿蘇のメガソーラーの6年、雨水対策を強化、降灰の影響は?(page 3)

SunEdisonが開発・稼働、タイのBCPGが日本法人ごと買収

2021/09/28 17:33
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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福島県矢吹町では造成を開始

 一方、福島県矢吹町では、連系出力が20MW、太陽光パネル出力が約27.876MWのメガソーラーの造成がはじまった(図6)。

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図6●福島県西白河郡矢吹町にある
図6●福島県西白河郡矢吹町にある
(出所:BCPGジャパン)
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 このメガソーラーもSunEdisonの日本法人時代に開発がはじまったが、規模が大きいことに加えて、用地の権利や許認可が複雑なために、着工が延びていた。

 用地は、山林で登記されているが、牧草地として使われていた土地と、田畑跡の耕作放棄地を農地転用した土地からなる。バブル期にはゴルフ場の開発が計画されていたが、開発が途中で頓挫して遊休地となっていた。

 経済産業省が2018年10月に公表した「未稼働案件への措置」への対応は完了しており、当初の売電単価は維持された。ただし、運転開始期限が設定されたため、売電開始の遅れに伴い、売電期間は約18年に短くなる予定だ。

 EPCサービスは、中国のShanghai Electric Group(上海電気グループ)が担当する。太陽光パネルは中国のトリナ・ソーラー製、PCSは中国の華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)製を採用した。

 敷地内には、大きな調整池が4カ所ある(図7)。北端に2カ所、南西に1カ所、南中央に1カ所ある。これは、福島県が示した基準に基づくもので、一般的な地域のメガソーラーに比べて、相当に念入りな対応という。

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図7●調整池は一般のメガソーラーよりも念入り
図7●調整池は一般のメガソーラーよりも念入り
(出所:BCPGジャパン)
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 埋蔵文化財がある場所は、現状を変更せず、また、地権者が不明な場所も使用せず、敷地外としている。

 南端の一角は、他の太陽光発電所の連系点となる鉄塔が建つ土地に面している。この連系点までの送電線は地中に埋設されている。この場所に近い南中央の調整池からの排水路は、傾斜などを工夫して他社のメガソーラーの地中埋設の送電線に悪影響が及ばないように配慮した。

 太陽光パネルの設置区域は元々、高低差が少ないため、大掛かりに造成することなく開発できる利点があった。雪の影響もほぼないという。

●発電所の概要
発電所名高森太陽光発電所
(S-11 TAKAMORI発電所)
所在地熊本県阿蘇郡高森町
事業用地面積1万8612m2
発電事業者高森太陽光発電所合同会社
(BCPGジャパンが100%出資している特定目的会社)
資金調達三菱電機クレジットが組成したプロジェクトファイナンスによる融資
連系出力1MW
太陽光パネル出力約1.278MW
年間発電量の実績2016年~2020年の平均で約135万100kWh
EPC(設計・調達・施工)サンエジソン建設
(現・ビーシーピージーエンジニアリング)
O&M(運用・保守)ビーシーピージーエンジニアリング
太陽光パネルSun Edison製
(出力335W/枚、3816枚)
パワーコンディショナー(PCS)東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製
(定格容量500kW機、2台)
着工2014年10月1日
売電開始2015年2月16日
固定価格買取制度(FIT)に基づく売電単価40円/kWh(税抜き)
売電先九州電力グループ
●発電所の概要
発電所名福島矢吹メガソーラー発電所
所在地福島県西白河郡矢吹町上の前・清林山地区
事業用地の面積37万1220m2
発電事業者矢吹太陽光発電所合同会社
(BCPGジャパンが100%出資しているSPC)
連系出力20MW
太陽光パネル出力約27.876 MW
初年度の年間予想発電量約3万1650 MWh
(一般家庭約1万500世帯の消費電力に相当)
EPCサービスShanghai Electric Group(上海電気グループ)
太陽光パネルトリナ・ソーラー製
(出力410W/枚、6万7990枚)
PCS華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)製(320台)
着工2020年8月1日
竣工予定2021年12月31日
FITに基づく売電単価36円/kWh(税抜き)
売電先東北電力グループ
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