探訪

「草刈りの工夫でイノシシが減る」、「夏は化合物型が強い」、上野原のメガソーラーの8年

予防保全を重視、新たな運用を次々に試す

2021/10/22 17:26
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 山梨県上野原市の山あいに、合計で連系出力3MW、太陽光パネルの出力が約4MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)がある(図1)。

図1●山梨県上野原市にある約3MWのメガソーラー
図1●山梨県上野原市にある約3MWのメガソーラー
(出所:MDI-SBソーラー)
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 元は、バスなど出荷前の車両を保管しておく用地を活用した。2つのメガソーラーで構成されている。東京電力グループとの連系協議において、最大出力を1.5MWとする2カ所の発電所に分けることで、系統連系が可能になったためだ。

 連系出力は第1発電所、第2発電所ともに1.5MW、太陽光パネル出力は第1発電所が約2.016MW、第2発電所が約1.966MWとなっている。

 事業主体は、特定目的会社(SPC)のMDI-SBソーラー(大阪市北区)である。液晶パネルや太陽光パネルの製造装置メーカーとして知られる三星ダイヤモンド工業(大阪府摂津市)と日鉄物産による合弁会社で、出資比率は三星ダイヤモンド工業が51%、日鉄物産が49%となっている。

 MDI-SBソーラーは、群馬県館林市で出力2MWの太陽光発電所も開発・運営している。こちらは2013年5月に売電を開始しており、約8年半が経つ。

 上野原のメガソーラーも、2013年11月に売電を開始してから、丸8年が経過しようとしている(前回の掲載記事)。

 両メガソーラーともに、固定価格買取制度(FIT)の買取期間が残り半分に近づき、SPCのMDI-SBソーラーも2012年10月の設立から10年が近づく中で、三星ダイヤモンド工業側からSPCをけん引してきた岡本慶太郎氏が新たに代表取締役に就任した。

 岡本氏によると、今後、小型風力発電や小水力発電など、他の再生可能エネルギー発電の開発を模索するとともに、稼働済みなどの太陽光発電所も、良い案件があれば購入を検討していく。

 また、日鉄物産は、同社に統合前の住金物産が1980年代後半以降、タイで工業団地を運営し、そこで必要になる電力を供給するため、工業団地、関西電力との3社で合弁企業を設立し、火力発電所を運用してきた。

 タイの工業団地では現在、合計出力24MWのメガソーラーが稼働している。工業団地に進出している日系企業向けにオンサイト型のPPA(電力購入契約)モデルに基づく太陽光発電所の開発・運営も、合弁で手掛けている(関連ニュース:Looopと事業化)。

 日鉄物産はまた、マレーシアでも現地企業との合弁でFITに基づく屋根上の出力約1MWの太陽光発電事業を手掛けている。日本でもFITを活用し、取引先の自動車部品会社と合弁で、兵庫県丹波市に出力約1.75MWのメガソーラーを開発・運営している。

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