探訪

ため池で15カ所、取引先にも再エネ電気を供給する二川工業製作所(page 5)

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2021/12/01 01:20
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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特定卸供給で国内8工場、調達先も100%再エネに

 建設機械の分野でも、サプライチェーン全体で再エネ発電電力をより多く活用しようという動きが出てきている。二川工業製作所は、自社で開発・運営している水上太陽光発電所を活用し、2020年12月には、国内の工場で使う電力を100%再エネに転換した。

 同社は、中小企業版のRE 100とも位置付けられている「再エネ100 宣言RE Action」に参加して、国内工場の100%再エネを実現した。

 二川工業製作所は、広谷池に設置した出力6.8MWの水上メガソーラーと、西池の2.2MWの案件からの発電電力を使い、国内8工場を100%再エネに転換している(図8)。

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図8●水上メガソーラーの発電電力で再エネ100%とする仕組み
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図8●水上メガソーラーの発電電力で再エネ100%とする仕組み
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図8●水上メガソーラーの発電電力で再エネ100%とする仕組み
中は広谷池の出力6.8MW、下は西池の2.2MW(出所:上は二川工業製作所、そのほかは日経BP)

 広谷池の案件は、同社では唯一の特高連系の水上メガソーラー、西池の案件は買取価格14円/kWh(税抜き)の最新の水上メガソーラーである。

 両水上メガソーラーとも固定価格買取制度(FIT)の認定案件なので、特定卸供給の仕組みを使い、関西電力送配電を介して新電力のアスエネ(東京都港区)に供給し、二川工業製作所はアスエネから発電電力を購入している。不足時には他の電源の電力から供給を受ける。これらに非化石証書を付けることで、制度上「実質再エネ」としている。

 加えて、アスエネは、ブロックチェーンの技術を応用した独自のトラッキングシステムで電源を特定している。

 二川工業製作所では、自社の水上太陽光発電電力を活用するこの仕組みを製造パートナー企業にも活用できるようにし、同社が関連するサプライチェーンでの再エネ100%にも寄与し始めている。

 2021年11月には、部品を調達している阪神メタリックス(神戸市長田区)が、同じアスエネの再エネ100%電気の利用を始めた。


●発電所の概要
発電所名河原山池水上太陽光発電所
所在地兵庫県稲美町(河原山池)
設置面積1万5943m2(水面面積の約23%)
発電事業者二川工業製作所(兵庫県加古川市)
水面賃貸者天満大池土地改良区
連系出力1.25MW
太陽光パネル出力約1.428MW
年間予想発電量約171万kWh
EPC(設計・調達・施工)サービス美樹工業(兵庫県姫路市)
太陽光パネルシャープ製(水上専用の受注生産品、出力250W/枚、5712枚)
パワーコンディショナー(PCS)東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製
フロートフランスのシエル・テール・インターナショナル製
着工2015年7月
売電開始2015年12月
買取価格(税抜き)32円/kWh
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