探訪

バス車庫の「太陽光付き屋根」、作業性と経済性を両立

三重交通が採用、点検作業の改善、冷暖房の節約に寄与

2022/01/04 19:39
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
印刷用ページ

 三重県四日市市にある大型バスの駐車場に、出力約457kWの太陽光パネル付きの屋根がある(図1)。大型バスの駐車場に、このような太陽光パネルを載せた屋根を採用するのは珍しい。

クリックすると拡大した画像が開きます
クリックすると拡大した画像が開きます
図1●四日市営業所の大型バスの駐車場に設置した太陽光パネル付きの屋根
図1●四日市営業所の大型バスの駐車場に設置した太陽光パネル付きの屋根
(出所:三重交通)
クリックすると拡大した画像が開きます

 この太陽光発電システムは、三重交通(津市)の四日市営業所にあり、同社が開発・運営している。2017年6月に売電を開始し、約4年半が経過した(稼働時に掲載したメガソーラー探訪)。

 四日市営業所のほか、津市にある中勢営業所、名張市にある伊賀営業所でも同じように太陽光発電システム付きの屋根を設置している(図2)。3カ所で合計出力約1.6MWの太陽光発電設備を導入した。

図2●伊賀と中勢の営業所にも導入
クリックすると拡大した画像が開きます
図2●伊賀と中勢の営業所にも導入
クリックすると拡大した画像が開きます
図2●伊賀と中勢の営業所にも導入
(出所:三重交通)

 大型バスの駐車場を屋根付きにすると、車輌の点検や保守における作業性が向上したり、車内空調の消費エネルギーを削減したりできるという利点がある。

 しかし、ただ屋根をつけるだけでは、設置コストがかかる。さらに、屋根を支える柱が立つ分、面積当たりのバスの駐車台数が少なくなる。

 そこで、太陽光パネル付きにして、固定価格買取制度(FIT)を活用して売電することで、屋根の新設費を回収できるようにした。

 三重交通にとって、本業のバス事業で利点の大きい、駐車場への屋根設置に、太陽光発電事業を組み合わせることで、コスト負担の課題を解消できた。

 当時、タイミングよく、大型バスの駐車場に太陽光パネル付きの屋根を設置する提案があった。JFEエンジニアリング(東京都千代田区)の100%子会社であるJFEテクノス(横浜市鶴見区)によるもので、同社は今回の3カ所のEPC(設計・調達・施工)サービスを担当した。

 3営業所とも、太陽光パネルはソーラーフロンティア製のCIS化合物型を設置した。このパネル選定は、グループ会社の三交不動産の太陽光発電所における実績を参考にした。同社は、実際の単位出力(kW)当たりの発電量の多さを評価し、CIS化合物型パネルを継続して採用している。

 パワーコンディショナー(PCS)は、四日市営業所と中勢営業所は、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した。伊賀営業所では、出力が300kW台と小さいことから、小規模ながら投資効率を高める狙いで、台湾デルタ電子製の分散型PCSを採用した。いずれも、JFEテクノスの提案による。

  • 記事ランキング