宮城県大郷町の田畑と山林が織りなす地域に、連系出力が37.5MW、太陽光パネルの出力が約51.6MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「宮城大郷ソーラーパーク」がある(図1)。
メガソーラーが立地しているのは山林や谷だった場所で、敷地面積は約69万4000m2である。林地開発許可の手続きや自主的な環境アセスメントを経て建設した。
小川を挟んで東にはゴルフ場、谷を挟んで西には別の企業による約30MWのメガソーラーがある(関連コラム)。大規模な太陽光発電所に向いた地域といえそうだ。
宮城大郷ソーラーパークは、2021年10月に売電を開始した。
年間発電量は、一般家庭約1万5600世帯分に相当する約5640万kWhを見込んでいる。固定価格買取制度(FIT)に基づく売電単価(税抜き)は32円/kWhで、東北電力グループに売電している。
事業主体は、特定目的会社(SPC)の宮城大郷ソーラーパーク(東京都港区)である。
国際石油資本の1社であるフランスのトタルエナジーズ、地元の東北電力、さらに、ソフトバンクグループという、国内外でエネルギーや通信を担ってきた大手3社が組んだプロジェクトとなっている。
SPCへの出資比率は、トタルエナジーズの再生可能エネルギー会社であるトタルエナジーズ・リニューアブルズと東北電力が45%ずつ、ソフトバンクグループの再エネ会社であるSBエナジー(東京都港区)が10%となっている。
プロジェクト開始の経緯から、太陽光パネルは米サンパワー製を採用している(図2)。サンパワーは現在、トタルのグループ企業となっている。
サンパワー製の出力445W/枚の太陽光パネルを11万5920枚並べた。
同社製パネルは、単結晶シリコン型で裏面に電極を形成しているために、カバーガラス側から見えるパネル表面にバスバー(電極線)がなく、濃紺の単色でシンプルな見栄えとなる。セル表面がすべて発電部になるために、面積当たりの発電量が多いのが特徴になっている。
パワーコンディショナー(PCS)は、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した(図3)。
こちらは定格出力2.5MWという大型機で、15台を設置した。この機種の特色を生かし、直流回路は1500V対応で構成している。
EPC(設計・調達・施工)サービスは、東芝プラントシステム・竹中土木共同事業体が担当した。O&M(運用・保守)は東芝エネルギーシステムズが担当している。