探訪

両面ガラスの6年半、信頼性を上げつつも30枚に割れ、笠間市の太陽光発電所

ミドルソーラーで採用、高圧案件の開発・運営に生かす

2022/02/16 20:36
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 茨城県の中部に位置する笠間市に、両面ガラスタイプの太陽光パネルを設置した連系出力500kWの太陽光発電所がある(図1)。

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図1●笠間市に立地
図1●笠間市に立地
(出所:日経BP)
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 2015年に稼働し、約6年半が経過した。高圧配電線に連系している、いわゆるミドルソーラーと称される規模の太陽光発電所の中では、いち早く両面ガラスの太陽光パネルを導入していた(関連コラム)。

 開発・運営しているのは、エネグローバル(東京都千代田区)の李力欧(リ・リオ)社長 兼 最高経営責任者(CEO)である。

 李社長は、中国の東北部・黒竜江省の寒村の出身で、日本に移り住んだ。日本において欧米のIT(情報技術)関連の大手で要職を務めた。その後、太陽光発電所を初期段階から開発・運営するエネグローバルを設立した。

 同社は、茨城県を中心に合計出力30MW以上の太陽光発電所を開発・運営している。ほとんどが高圧連系の発電所である。

 笠間市のミドルソーラーで、両面ガラスの太陽光パネルを導入したのは、これまで以上に信頼性を向上し、O&M(運営・保守)コストを削減するためだった。

 両面ガラスの太陽光パネルは、2枚のガラスで挟み込んだ密閉構造になっている(図2)。従来の太陽光パネルで一般的だった樹脂製バックシートをガラスに置き換えた。長期的に劣化が避けられない有機材料を無機材料に代替し、信頼性が向上する。

図2●表裏ともガラスで封止
図2●表裏ともガラスで封止
(出所:日経BP)
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 採用した両面ガラスの太陽光パネルは、中国トリナ・ソーラー製である。トリナ・ソーラーでは、両面ガラス製パネルに30年間の出力保証を付けるなど、メガソーラー(大規模太陽光発電所)の事業性を長期的に維持できる利点を打ち出している。

 また、アルミフレームのない両面ガラス品の利点には、パネルに積もった土埃が落ちやすいことがある。アルミフレームがある場合、パネルの底部側に土埃が溜まりやすく、発電ロスにつながることがある。

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