探訪

豪雪に負けない新潟県営メガソーラー、雪に耐えた11年

降雪時も予想以上に発電、アレイまで雪がつながったことも…

2022/03/02 16:05
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 新潟県の下越地域に位置する阿賀野市。同市にある県営の東部産業団地内に、連系出力が合計17MW、太陽光パネルの出力が合計約23.55MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「新潟東部太陽光発電所」がある(図1)。

図1●3つのメガソーラーからなり、阿賀野市の県営の工業団地内に立地
図1●3つのメガソーラーからなり、阿賀野市の県営の工業団地内に立地
(出所:新潟県企業局)
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 3つのメガソーラーからなり、連系出力が1MW、太陽光パネル出力も約1MWの1号系列、連系出力が1MW、太陽光パネル出力が1.25MWの2号系列、連系出力が15MW、太陽光パネル出力が約21.3MWの3号系列となっている。

 1号系列は2011年10月に稼働し、2号系列は2012年7月、3号系列は2015年7月に稼働しており、それぞれ11回、10回、7回の冬を経験している(前回の掲載)。

 いずれも、新潟県の企業局が発電事業者となる。同局では、太陽光発電以前から、水力発電を中心に60年以上、発電事業を手掛けてきた。戦後の復興期以降、治水を目的に建設したダムを使ったもので、1952年12月、村上市に稼働した三面発電所を皮切りに、多くの水力発電所を運営してきた。

 東部産業団地内のメガソーラーも、O&M(運用・保守)については、水力発電と同じように、村上市にある新潟県発電管理センターが担当し、24時間体制で発電状況を遠隔監視・制御している。

 1号系列は、EPC(設計・調達・施工)サービスを三菱電機プラント・菱電社特定共同企業体が担当した。太陽光パネルは、三菱電機製の多結晶シリコン型、パワーコンディショナー(PCS)は、GSユアサ製を採用した。

 2号系列はEPCサービスを東芝が担当した。太陽光パネルは、韓国LGエレクトロニクス製の単結晶シリコン型、PCSは、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した。

 3号系列は、EPCサービスを東芝と福田組による「東芝・福田特定共同企業体」が務めている。福田組は新潟市に本社を置く建設会社である。太陽光パネルは、東芝製の単結晶シリコン型、PCSはTMEIC製を採用した。

 日本海側に位置するメガソーラーというと、積雪の影響がとくに気になる。

 設計時点での阿賀野市の最大積雪深の最高は約130cm、平均は約55cmだった。これに対して、メガソーラーの太陽光パネル低部の設置高は約180cmに設定した(図2)。

図2●太陽光パネル最低部は高さ約180cm
図2●太陽光パネル最低部は高さ約180cm
積もった雪の山がパネルに届かないように余裕を持たせた(出所:日経BP)
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 年間最大積雪深に対して約50cmの余裕を持たせ、過去最高以上の降雪量を伴う大雪や、前に積もった雪が十分に溶ける間がなく連続的に雪が降り積もる場合でも、太陽光パネルの下に溜まった雪の山が、パネル最低部に届きにくくすることを狙った。

 2~3号系列の設置角は30度、1号系列は20度と40度の可変型で、冬は40度に傾けている。

 メガソーラーの設置以降、阿賀野市では、30年間の年間最大積雪深の平均である約55cmよりも、多く積もる日が出てきている。とくに最近の数年では、1mを超える日が続いた年もある。

 こうした中でも年間を通してみると、事業計画時の予想を上回って好調な年が続いている(図3)。年ごとの傾向も似ている。

図3●3年ごとに青と赤にまとめた月別の3号系列の発電量の推移
図3●3年ごとに青と赤にまとめた月別の3号系列の発電量の推移
(出所:新潟県企業局)
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