探訪

「ブラックアウトで着目、非常時のモデル例に」、徳島県沿岸部のメガソーラー

水力と同じ管理で当初から遠隔制御、塩害はコネクターのみ

2022/04/26 21:18
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 徳島市の南に位置する小松島市に、半島のように海に突き出た和田島とよばれる場所がある。その一角に、出力約2MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「和田島太陽光発電所」がある(図1)。

図1●半島のように伸びている和田島にある「和田島太陽光発電所」
図1●半島のように伸びている和田島にある「和田島太陽光発電所」
(出所:徳島県 企業局)
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 徳島県の企業局が開発・運営している。2013年10月に稼働してから、約9年半が経過した。

 これまで企業局では、水力発電所による発電事業や、工業用水路(吉野川北岸、阿南)、工業団地の開発・分譲、駐車場などを手がけてきた。再生可能エネルギー発電電力の固定価格買取制度(FIT)がはじまってからは、2カ所のメガソーラーを開発・運営している。

 和田島はこのうち2カ所目に稼働した発電所で、さらに半年早い2013年4月に、徳島市を流れる吉野川の河口に近い海上にある人工島・マリンピア沖洲(おきのす)に、出力約2MWのメガソーラー「マリンピア沖洲太陽光発電所」を稼働させた(図2)。

図2●吉野川の河口に近い「マリンピア沖洲太陽光発電所」
図2●吉野川の河口に近い「マリンピア沖洲太陽光発電所」
(出所:徳島県 企業局)
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 東日本大震災に伴う原子力発電所の事故、電力需給の逼迫、FITによる再エネの導入促進など、国のエネルギー状況が大きく変わる中、徳島県でも地域の資源を生かした再エネ導入の促進、エネルギーの地産地消、災害に強いまちづくりに取り組み、その一環としてこの2カ所のメガソーラーを開発・運営している(以前のメガソーラー探訪:津波に備え「かさ上げ」、敷地外に非常用分電盤を設置した徳島県のメガソーラー)。

 いずれも売電単価は40円/kWh(税抜き)で、四国電力送配電に売電している。

 企業局による2カ所のメガソーラーの開発では、プロポーザル方式(企画・提案方式)の公募により、EPC(設計・調達・施工)サービスなどを委託する企業を決めた。

 和田島のメガソーラーは、田村電設(徳島県吉野川市)の提案を採用し、EPCサービスも同社が担当した。太陽光パネルはシャープ製、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した。

 マリンピア沖洲のメガソーラーは、藤崎電機(徳島県阿南市)の提案が採択され、同社がEPCサービスを担当した。太陽光パネルはパナソニック製、PCSは和田島のメガソーラーと同じようにTMEIC製を採用した。

 その後は、系統の空き容量が少なくなったこともあって売電用に新たに開発する案件はないものの、最近では、水力発電所の新たな管理事務所棟の屋根上に、自家消費用の太陽光発電システムを導入している(図3)。

図3●川口ダムの管理事務所棟の屋根上の自家消費用システム
図3●川口ダムの管理事務所棟の屋根上の自家消費用システム
(出所:徳島県 企業局)
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