探訪

国内最大・260MWのメガソーラー、地域とともに運営

水を満たす調整池に植物や野鳥、下流でホタルの観察会

2022/07/05 18:00
金子 憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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残置森林は41%

 稼働済みのメガソーラー(大規模太陽光発電所)としては、国内最大の太陽光パネル設置規模となる「パシフィコ・エナジー作東メガソーラー発電所」が、岡山県美作市に稼働してから3年半を経過した。太陽光パネルは257.7MW、連系出力は150MWに達する。

 事業区域は、東京ドーム87個分に相当する約410ha。その約半分に約75万2000枚の太陽光パネルを敷き詰めた。ただ、パネルの多くは、残置森林に囲まれているため、周辺の主要道を走っていても、発電施設はほとんど目に入らず、すぐそばに国内最大のメガソーラー(大規模太陽光発電所)があるとは気づかない(図1)。

図1●「パシフィコ・エナジー作東メガソーラー発電所」。パネル設置エリアは残置森林で囲まれている
図1●「パシフィコ・エナジー作東メガソーラー発電所」。パネル設置エリアは残置森林で囲まれている
(出所:パシフィコ・エナジー)
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 事業主体はSPC(特定目的会社)のパシフィコ・エナジー作東合同会社。プロジェクトの開発から、建設、稼働後のアセットマネジメント(AM)は、パシフィコ・エナジー(東京都港区)が担っている。

 この発電所は、連系出力を上回る太陽光パネルを設置する、いわゆる「過積載」の度合いが大きいことも特徴で、パネル出力を連系出力で割った過積載率は1.7倍を超える。このため、日の出からの立ち上がりが早く、春から夏の時期には、午前9時には早々に150MWに達し、快晴であれば午後3時過ぎまで、フル出力が続くという。

 同発電所のある美作市作東地区は、江戸時代には、姫路と出雲を結ぶ出雲街道の土居宿があり、諸大名が参勤交代の宿場として本陣や脇本陣が置かれ、宿場町として栄えた。復元された関門や瓦屋根の多い街並みに、由緒ある土地柄を感じることができる(図2)(図3)。

図2●作東地区にはかつて出雲街道の土居宿があった
図2●作東地区にはかつて出雲街道の土居宿があった
(出所:日経BP)
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図3●宿場町の入口にあった関門(惣門)が復元されている
図3●宿場町の入口にあった関門(惣門)が復元されている
(出所:美作市)
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 作東メガソーラー発電所は、かつてゴルフ場だった65haのエリアと、リゾート施設の計画跡地だった76haと54haの2つのエリアからなる。これら3サイトに囲まれた丘陵地帯が広大な残置森林になっている。当初この地域にも、太陽光パネルを設置する予定だったが、環境影響評価(アセスメント)の結果、希少な動植物が確認されたため、まったく手を付けずにそのままの自然環境を残した。その結果、残置森林率が、森林法で求める25%を大きく超える41%まで高まった。

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