トラブル

「パワコンの基礎が傾き、法面は崩れ、布基礎が割れる」、熊本地震で被災したメガソーラー(前)(page 2)

パワコンは電気的にも故障、売電再開までに約3カ月間を要す

2019/06/20 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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基礎が傾いたまま、水平に固定できるように補修

 大きな損壊の一つは、パワーコンディショナー(PCS)を支えているコンクリート基礎が傾いたことだった(図3)。PCSの隣に建つ作業用の小屋を支えるコンクリート基礎にも、同じような被害が見られた。

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図3●基礎が傾いたままでも地面に水平に固定できるように復旧
(出所:デンケン)

 この基礎は、一般的なメガソーラーと比べても、面積が広く、多くのコンクリートを固めて施工したもので、長期の信頼性や安全性に十分に配慮した設計といえそうだ。

 このような頑強、重厚に見えるコンクリート基礎が、PCSと昇圧変圧器(キュービクル)を支えたまま、傾いてしまうところに、熊本地震の揺れの強さを改めて印象付ける。

 デンケンによると、このPCSの大きなコンクリート基礎の傾き方などをみても、この基礎の直下付近で、大きな揺れを引き起こした地震の一つが発生したとみている。

 PCSを支えるコンクリート基礎は、西側が低くなり、東側が高くなるように傾いた。その高低差は10cm近くにもなる。南北方向にも、高さのズレが生じた。

 復旧には、コンクリート基礎の傾きを根本的に直すことが理想かもしれない。しかし、そのためには、事業的に見て過大なコストがかかる。一方で、基礎に最も求められている耐荷重などの機能には、大きな影響は及んでいなかった。

 そこで、コンクリート基礎を施工し直すことは避け、傾いた状態の基礎を生かしつつ修繕することになった。

 当たり前だが、基礎が傾いたことで、その上のPCSも同じ角度に傾いてしまった。それを是正するため、基礎が傾いたままでも、PCSは地面に垂直になるように、水平レベルの補正用の構造を追加した。

 基礎の傾きを補うような構造を、コンクリート基礎上に新たに築いた。PCSをジャッキアップして地面と水平な状態にしておき、この水平調整用に加えた構造の上に降ろして復旧した(図4)。

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図4●復旧後の様子
(出所:日経BP)

 PCSそのものにも、電気的なトラブルが生じており、本格的な修理が必要になった。こうした理由から、売電を再開するまでに、約3カ月間を要した。

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