トラブル

アリが電線を食いちぎり、メガソーラーが稼働停止!(page 2)

エネテク 第28回

2019/07/18 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 この次のプロセスで、思わぬ障壁があった。メガソーラー側に、直流回路の図面の用意がなかった。つまり、太陽光パネルがどのように接続され、接続箱に発電電力が入力されているのかが、わからない。

 そこで、エネテクでは、地絡を検出した直流回路が、どの太陽光パネルによって構成されているのかを調べた。この調査では、戸上電機製作所が製造・販売している故障パネル特定装置「セルラインチェッカ」を使った。

 「セルラインチェッカ」は本来、不具合の生じた太陽光パネルを含むストリング(パネルを接続した単位)を絞り込んだ後に、不具合のある太陽光パネルを特定するために使う機器である(関連コラム)。

 「セルラインチェッカ」のメインの使い方は、接続箱のブレーカーの入力側端子に送信器を取り付けて、検査用の信号をストリング内に送信する。本来の使い方は、その状態で、そのストリングを構成するパネルを、携帯型の受信器で触れながら歩いて、受信器の反応から不具合パネルや、パネル内の断線箇所などを特定する。

 これに対して、ストリングを構成している太陽光パネルの配置を特定する場合には、入力端子に送信器を取り付けたストリングに連なるパネルに受信器を近づけると、光と音によって受信器が反応する機能を応用する。違うストリングに連なるパネルの場合には、受信器が反応しない。

 本来、あってはいけない状態ではあるが、設計時の図面と異なるストリング構成となっていたり、今回の例のように、図面が残されていないといった理由で入手できない場合など、まずストリングを構成するパネルの配置を把握する必要がある時に、国内のメガソーラーでこの応用が広く使われている。

 エネテクでは、こうして直流回路の図面が得られなかったメガソーラーにおいて、地絡した2回路を構成している太陽光パネルを特定し、電線とパネルの状態を調べた。

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