トラブル

「九州南部豪雨」でメガソーラー損壊、陥没から法面崩壊に

想定内の雨量にかかわらず、3カ所で地盤が大規模に浸食

2019/07/25 05:00
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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シラス地盤の上にメガソーラー

 6月28日から7月3日にかけ、九州南部では記録的な豪雨に見舞われた。6月28日の降り始めからの総雨量は最大で1000㎜を超え、南部各地で河川の氾濫や土砂崩れが起き、停電のほか、鉄道の運行が止まった。鹿児島県内では、3日の最大時には9市2町の約50万世帯の約100万人に避難指示が発令され、40カ所以上で土砂災害が発生した。

 九州南部で大雨による土砂災害が起きやすいのは、表層にシラス(白砂)が堆積していることも影響している。シラスは、噴火による火砕流で火山灰や軽石などが長年にわたって積もったもので、細粒で保水力が弱いという特徴がある。

 このため、山間など傾斜地に降った雨水が木の根より深く浸透すると、表層崩壊が起きやすい。また、さらに深い地層の境目まで水が到達すると、地盤ごと地滑りを起こすような大規模な地盤の崩壊に至ることもある。

 鹿児島県霧島市霧島町にある、出力約41MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「霧島サンデー発電所」は、こうしたシラス地盤の上に建設されており、今回の豪雨によって敷地内の地盤が浸食され、陥没や法面の崩壊が起きた(図1)。

図1●幅20mにわたって法面が崩壊した
(出所:日経BP)
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 敷地内で崩れ落ちた土砂は、調整池がすべて受け止めたため、事業用地の外に流れ出すことはなかったものの、下流域の川の水が濁るなど、農業への影響を懸念する声もある。

 同発電所は、ゴルフ場の開発跡地に建設され、2017年8月1日に運転を開始した。太陽光パネルの出力は約41.3MW、連系出力は34MWで、特別高圧送電線に連系している。ゴルフ場のフェアウエイになる予定だったエリアを階段状に平らに造成し、杭基礎を使ってアレイ(パネルの設置単位)を固定した。アレイは、パネル横向きで4段・3列を基本として、エリアによっては3アレイを一体架台にして4段9列の構成にしている。

 約1MW分の太陽光パネルごとに、パワーコンディショナー(PCS)とトランスからなるサブステーションを併設し、交流に変換後、昇圧して、連系変電所に送っている。

 経営は、ファンドスキームで運営されており、発電事業主はSolariant Portfolio Two合同会社、設計・施工とO&M(運営・保守)は、東京エネシスが担当している(図2)。

図2●太陽光パネルの出力で約41MWの「霧島サンデー発電所」
(出所:日経BP)
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