竹が伸び、太陽光パネルを下から突き破る!?

エネテク 第31回

2019/09/05 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ

 このシリーズでは、エネテク(愛知県小牧市)が、太陽光発電所の点検やO&M(運用・保守)サービスを担う中で対応してきたトラブル事例を紹介している。同社は、2007年に設立された電気設備工事会社で、太陽光発電の施工も多く担当してきた。O&Mサービスでは、点検時に原因分析だけでなく、状況によっては、その場で不具合の原因を解消するといったワンストップの対応が特徴となっている(関連コラム)。

 今回、紹介するのは、太陽光パネルの下の地面から、竹が伸び、太陽光パネルや電線などを損傷する恐れがある発電所の例である。

 他社がEPC(設計・調達・施工)サービスを担った太陽光発電所で、売電開始後の定期点検をエネテクが受託した。年に2回、点検するという内容で、まず発電設備を精密に点検し、その後、別の日に改めて発電所内を巡回する。

 定期点検を受託してから、エネテクの担当者が、はじめてこの太陽光発電所に向かい、現地を見てみると、すぐに驚くような光景を目にした。

 太陽光パネルの下の地面から、竹や笹が勢いよく伸びており、中には太陽光パネルの裏面まで達し、パネルに触れている箇所もあった(動画)。

動画●太陽光パネルの裏面に触れるほど伸びている
(出所:エネテク)

 電線やコネクタ、ジャンクションボックスにも竹が触れたり、笹が絡みついたりしていた(図1)。

クリックすると拡大した画像が開きます
図1●電線やコネクタに絡まっている
図1●電線やコネクタに絡まっている
(出所:エネテク)
クリックすると拡大した画像が開きます

 その時点では、竹はある程度、太くなっていたものの、裏面から太陽光パネルを突き破るまでには至っていなかった。裏面に触れた竹は、太陽光パネルの硬さに負けるように、パネルの裏面に押し付けられるように曲がり、裏面に沿って伸び進んでいた。

 それでも太陽光パネルの裏面から、竹が上にかなり押しており、突き破られていてもおかしくない、と考えたほうが良いという。

 エネテクの点検担当者は、応急措置として、竹や笹を刈って、太陽光パネルの裏面に触れたり、電線やコネクタなどに笹が絡みついている状態を解消した(図2)。

クリックすると拡大した画像が開きます
クリックすると拡大した画像が開きます
図2●笹のみを除去(左上)、竹も除去(右上、下)
図2●笹のみを除去(左上)、竹も除去(右上、下)
(出所:エネテク)
クリックすると拡大した画像が開きます

 この発電所は、もともと竹林だった場所に開発されたようだ。造成しても、竹の根は残ることがある。このため、発電所の完成時には、一時的に竹が生えていなかったとみられるが、根が残っていれば、その後、あっという間に地上に伸びてくる。

 竹は、一般的な樹木のように、年輪を重ねて年を追うごとに太くなっていくようなことはないとされる。ただし、成長が早く、短期間で竹林を形成し、上空が見えにくくなるほど茂る。

 今後、予想される状況を考えると、根本的に竹や笹を生えないようにする手法を講じることが望ましい。化学薬剤の手法が使えるならば望ましい状況に見え、発電事業者に対処を促しているが、エネテクは電気の専門企業で、植生のノウハウは持たないので、自らサービスを提供することは難しい。現在は、発電事業者と相談しているという。

 竹林だった場所を、太陽光発電所の用地として活用する例は、全国各地にあるとみられる。このため、同じような状況が生じる発電所が出てくると思われる。

 エネテクの他の顧客の例では、やはり竹林だった場所を造成して太陽光パネルを並べている発電所がある。ここは、企業が発電事業者となっている。

 この発電所では、春になると、地中からタケノコが多く伸びてくる。これを放置すると、今回紹介した発電所のように、太陽光パネルの裏面まで伸び、触れてしまうような状態になってしまう。

 そこで、発電事業者は妙案を思いついた。春のタケノコ掘りの時期になると、社員に参加を募り、太陽光発電所内で、タケノコを掘るイベントを開催するのである。

 来所した社員たちは、タケノコを掘って持ち帰り、家族で春の恵みを楽しめる。発電所としては、竹を伸びる前に除去でき、かつ、除去費用はかからない。しかも、タケノコを掘った社員には喜んでもらえる。

 一石二鳥の対処法といえる。


【エネテクによるトラブル・シューティング】