「売電額が半減」、原因はメーターの故障、電力会社が補償

エネテク 第35回

2019/10/31 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ

 このシリーズでは、エネテク(愛知県小牧市)が、太陽光発電所の点検やO&M(運用・保守)サービスを担う中で対応してきたトラブル事例を紹介している。同社は、2007年に創業した電気設備工事会社で、太陽光発電の施工も多く担当してきた。O&Mサービスでは、点検時に原因分析だけでなく、状況によっては、その場で不具合の原因を解消するといったワンストップの対応が特徴となっている(関連コラム)。

 今回、紹介するのは、売電用のメーターの不良によるトラブルである。事業性への影響が大きく、かつ、国内各地の他の発電所でも起こり得る内容で、日常的に注意が重要といえる。

 エネテクが定期点検を受託した太陽光発電所で起きた。

 気付いたのは、点検時に記録している、3台あるパワーコンディショナー(PCS)ごとの累積発電量の合計値と、売電用メーターが示している値に、ある時点から、大きな差が生じ始めたことだった。

 これに気付いた段階では、売電用メーターの不良以外にも、疑うべき要因が残っていた。

 一つは、3台のPCSのうち1台を交換していること。もう一つは、系統の電圧上昇を抑えるために、結果的に売電ロスにつながる制御が頻繁に生じることだった。

 このうち、系統の電圧上昇を抑える機能とは、連系先の系統の電圧が許容変動範囲を逸脱しそうな場合に、その範囲内に維持するための機能を指す。この機能が働くと、結果的に出力を抑えることになる。

 この発電所の連系先の近隣には、多くの太陽光発電所が立地していた。

 太陽光発電所から系統への送電は、系統の電圧より少し高い電圧をPCSから出力させたり、電圧の位相をシフトすることによって生じる電圧差を使って、発電した電力を系統に流し込む。

 このため、太陽光発電所が密集している地域では、系統の電圧上昇が起こりやすく、PCSの系統電圧上昇抑制機能が働きやすくなる。

 ただし、今回の発電所では、こうした状況を考慮しても、累積発電量と売電用メーターの値の乖離の度合いが大き過ぎるレベルにまで広がってきた。−49.8%などという、とても許容できない値となっていた。

 そこで、電力会社は、売電用メーターの不良を調査した()。すると、売電用メーターが故障していた。これによる差だったことが明らかになった。

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図●売電用メーターの調査時の様子
(出所:エネテク)

 電力会社は、この売電用メーターを交換して、その後のメーター起因による売電ロスを防ぐ措置を講じた。

 さらに、過去のデータに遡って、PCSの累積発電量と売電用メーターの値の差から、ロスした売電額を補償した。


【エネテクによるトラブル・シューティング】