【千葉の太陽光被災・その3】吹き飛ぶトタン屋根、小型パワコンの遮光用も

エネテク 第38回

2019/12/12 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ

 このシリーズでは、エネテク(愛知県小牧市)が、太陽光発電所の点検やO&M(運用・保守)サービスを担う中で対応してきたトラブル事例を紹介している。同社は、2007年に創業した電気設備工事会社で、太陽光発電の施工も多く担当してきた。O&Mサービスでは、点検時に原因分析だけでなく、状況によっては、その場で不具合の原因を解消するといったワンストップの対応が特徴となっている(関連コラム)。

 2019年秋は、千葉県を中心とする関東各地において、強風や豪雨を伴う台風の通過や上陸が相次いだ。強風による倒木や電力・通信設備などの社会インフラの損壊、豪雨による土砂崩れ、河川の増水や越水、周辺地域の浸水など、広い範囲で被災した。

 千葉県市原市にある山倉ダムの水上を活用したメガソーラー(大規模太陽光発電所)では、フロート架台の損壊やそれに伴う火災が起き、一般メディアでも大きく報じられた(関連コラム1:直後の速報、同コラム2:メカニズムの考察、同コラム3:経産省に報告、破損の起点は「アンカーの抜け」)。

 静岡県の伊豆半島でも、同じように強風によって、地上設置型の太陽光発電所で太陽光パネルが吹き飛んだり、架台が損壊するといった被害が、長野市の千曲川流域では、河川の氾濫によって、周辺地域の太陽光発電所が浸水したり、濁流によって倒壊するといった被害が相次いだ(関連コラム:伊豆半島関連、同コラム:千曲川関連)。

 今回、紹介するのは、エネテクが点検を受託している、千葉県中部の太陽光発電所における例となる。

 一つは、パワーコンディショナー(PCS)の付帯設備として、直射日光がPCSに当たることを遮るための屋根材が、めくれあがったり外れて吹き飛んだりした被害である(図1)。

図1●小型PCSを直射日光から守っていたトタン屋根がめくれ上がった
(出所:エネテク)
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 小型のPCSや接続箱は、筐体が小さいために、相対的に外部の温度変化の影響を受けやすい。直射日光が当たる場所に設置されている場合、夏季の高温時に直射日光が当たり続けると、過熱によって壊れたり、機能を維持できなくなることがある。

 こうした過熱による損壊を防ぐ目的で、PCSや接続箱は、筐体内が一定以上の温度に達すると、安全機能が働いて稼働を止めることがある。

 こうした直射日光による過熱への対策として、「ひさし」を追加することで、小型PCSや接続箱に直射日光が当たらないようにしている発電所も多い。

 今回の発電所も、屋根を付けて、直射日光による過熱から小型PCSを守っていた。

 太陽光パネルを支える架台と同じような構造に、小型PCSを固定したうえ、架台であれば太陽光パネルが固定されている場所に、トタン屋根が設けられていた。

 このトタン屋根が、台風の強風によって、めくれ上がった。ただし、敷地内の他の場所や敷地外にまで飛散して、他の設備などを損壊するような2次被害はなかった。

 もう1カ所は、屋根材が敷地外から飛んできた太陽光発電所である(図2)。同じようなトタンの屋根材や、雨どいなどが、敷地内に飛んできて落下した。

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図2●屋根材や雨どいが、パネルに当たるように落ちていた
(出所:エネテク)
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 この発電所でも、屋根材や雨どいなどは、敷地内の発電設備やその周辺に落下した。太陽光パネルに当たってから、地面に落ちたように見えるものもあった。

 集めてみると、かなりの数の屋根材が、敷地内に落下していたことがわかった(図3)。ただ、太陽光パネルや架台などを損傷することはなかった。

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図3●敷地内に飛んできて落ちた屋根材を集めた様子
(出所:エネテク)
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【エネテクによるトラブル・シューティング】