【千葉の太陽光被災・その4】停電が復旧して再連系したら、接続箱が燃えた!

エネテク 第39回

2019/12/26 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ

 このシリーズでは、エネテク(愛知県小牧市)が、太陽光発電所の点検やO&M(運用・保守)サービスを担う中で対応してきたトラブル事例を紹介している。同社は、2007年に創業した電気設備工事会社で、太陽光発電の施工も多く担当してきた。O&Mサービスでは、点検時に原因分析だけでなく、状況によっては、その場で不具合の原因を解消するといったワンストップの対応が特徴となっている(関連コラム)。

 2019年9月9日に千葉県を襲った台風15号は、関東に上陸した台風としては、過去最強クラスだった。千葉県の中央部以南では、強風に伴う設備の倒壊や倒木によって、停電や断水、道路や鉄道の不通など、大きな被害が生じた。

 この地域では、被災した太陽光発電所もあった。ニュースで報道されたのが、市原市にある山倉ダムの水上メガソーラー(大規模太陽光発電所)である。フロート架台の損壊やそれに伴う火災が起き、経済産業省の電力安全小委員会でも、事故原因について報告された(関連コラム1:直後の速報、同コラム2:メカニズムの考察、同コラム3:経産省に報告、破損の起点は「アンカーの抜け」)。

 伊豆半島でも、地上設置型の太陽光発電所でパネルが吹き飛んだり、架台が損壊するといった被害が、長野市の千曲川流域では、河川の氾濫によって、周辺地域の太陽光発電所が浸水したり倒壊するといった被害があった(関連コラム:伊豆半島関連、同コラム:千曲川関連)。

 今回、紹介するのは、エネテクが点検を受託している、千葉県北東部の太陽光発電所における被災例となる。

 この地域では、台風15号で接続先の系統網が停電し、売電が止まる太陽光発電所が相次いだ。今回の発電所もその一つで、停電によって売電が止まるとともに、パワーコンディショナー(PCS)の安全機能が働いて、稼働が停止した。

図1●筐体の外側まで黒焦げになった接続箱
(出所:エネテク)

 停電が解消し、売電を再開できる状況となったため、現地の電気的な安全を確認し、PCSを再起動した。

 すると、接続箱がアーク(火花)を発し、筐体の外側まで焦げるような状態となった(図1)。

 エネテクによると、その後の調査によって、台風の強風によって、電線が強く引っ張られて接続部がガタついたり、抜けかかっていた場所まであることがわかった。

 こうした場所での短絡が、接続箱がアークで燃えた原因になったのではないかという。

 もともと電線の敷設に関する設計や施工が、強風に耐えられるものではなかった可能性があるという。

 適度に緩みを持たせていたり、風にあおられにくい場所に固定するといった、強風時に電線に過剰な力がかからないようにする工夫があれば、防げたかもしれないとしている。

 この発電所では、このほかにも、設計や施工の不良とみられるトラブルが多く、電線に関しても、樹脂の配管内の通し方が悪く、火災に発展しかねない部分もあったという。

 ここでは、配管の直径一杯まで、過剰な本数の電線を押し込むように入っていることが問題とする。

 配管内に適度に空隙がないと、電線に生じた熱を適切に放熱できない。発電量が多く、発熱が通常よりも多い状態になった時に、適切に放熱できないと、樹脂が発火する原因になりかねない。

 こうした状況もあり、電線の敷設方法の改善を検討している。

 今回、紹介したような接続箱の延焼は、千葉県内の別の太陽光発電所でも生じたことがあった(図2)。

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図2●千葉県の別の発電所において、接続箱が激しく焼損した例
(出所:エネテク)
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 この時には、接続箱の中が、炭のように丸焦げになるほど、激しく焼損していた。かなり危険な状況といえる。

【エネテクによるトラブル・シューティング】