問題は、樹脂製配管の切り口が、上を向いて敷設されていることだった(図4)。エネテクによると、樹脂の配管で保護しながら電柱を登るように電線を敷設する場合、樹脂の配管の出口となる切り口は、下を向けなければならない。上向きだと水が配管の中に入りやすくなるためである。
樹脂製配管の切り口と、中を通っている電線の隙間は、パテ(充填剤)で埋める。しかし、パテに、わずかな隙間があったり、水の通りやすい微細な形状ができたりするなど、配管の切り口から雨水が入り込むことがある。そもそも雨水が直接、触れにくい状態にしない限り、雨水の侵入を防ぐのは難しい。
エネテクが「下向き」を提唱する理由はこのためで、下を向いていれば、雨水が直接、パテに触れる可能性が格段に小さくなる。
高い位置にあり、上向きの切り口から配管に入った雨水は、配管内を地面に向けて流れる。地面付近から集電箱の送電側の端子までは、電線と配管は、少し登るように敷設されるものの、集電箱の中まで水が入り込んでしまうと見ている。