トラブル

まるで「ラピュタの城」、雑草に覆われた太陽光、集電箱は水浸しで、あわや売電停止に(page 5)

エネテク 第40回

2020/01/16 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 配管内の地面に近い低い場所にたまった雨水が、蒸発と結露を繰り返している間に、接続箱の中まで徐々に入り込み、水浸しになったり、水たまりができるまでになったと推測している。

 この状態を見つけた後、エネテクでは、まず応急措置を講じた。地上に近い低い位置で、樹脂製配管に穴をあけた(図5)。これによって、配管内にたまっていた雨水を、配管の外に出した。

図5●応急処置の「水抜き」。中央で水が細く噴き出ているのがわかる
(出所:エネテク)
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 根本的な解決策として、メインブレーカーに向けた電線の敷設を、配管の切り口が下に向くように変えることを提案している。

 水浸しになっていたり、水たまりができていた2個の集電箱では、筐体内で部材を固定する役割の金属製の固定具が、真っ白に腐食していた(図6)。水浸しになっていなかったそのほかの集電箱には、この白サビはまったく生じていなかった。

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図6●固定部品に「白サビ」
(出所:エネテク)

 こうした白サビは、長い期間、放置していると、集電箱の電気的な機能そのものに悪影響を及ぼす恐れがある。腐食した部分が発熱し、発火する恐れもある。このため、これら2個の集電箱の交換も提案している。

 現時点でも、絶縁抵抗値への影響が見られる(図7)。正常範囲の値には収まっているので、そのままでも集電箱としての機能をある程度、維持できるものの、白サビのない集電箱と比べると、著しく悪い数値となっている。

図7●絶縁抵抗値が極端に低い
(出所:エネテク)
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 絶縁抵抗値の「正常」の判定値は「0.2MΩ以上」となっている。水浸しにならず、白サビのない集電箱では、「176MΩ」など、大幅に高い値を示したのに対して、水浸しとなり、白サビが生じていた2個の集電箱の絶縁抵抗値は、「0.356MΩ」と「0.989MΩ」と、正常値ギリギリの低い値だった。

 集電箱の絶縁抵抗値が下がると、安全機能が働いて、漏電遮断器が動作する可能性が高まる。この場合、他の発電設備の状態が良好でも、売電できなくなる。

 5年間、一度も点検やメンテナンスをせずに放置していなければ、早く気付いて傷の浅いうちに対応でき、集電箱の交換といったコストが嵩む対応には至らなかった可能性もある。定期的に適切なメンテナンスの重要性を示す例としている。


【エネテクによるトラブル・シューティング】
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