トラブル

犯人は「今年の干支」、電線をかじって漏電、あわやメガソーラーが稼働停止に(page 3)

エネテク 第41回

2020/01/30 05:00
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 この電線を含む直流回路は、事前の絶縁抵抗測定において、正常な値(16.6MΩ)を示していた。それでも、検電器が通電を示した。

 漏電の警報が届くのは雨天時である。雨天時の実態により近い状態を再現するため、今度はこの噛み跡の場所を濡らした状態で、この電線を含む直流回路の絶縁抵抗を測定した。噛み跡の場所には、濡らしたタオルをかぶせた(図4)。

図4●噛み跡を濡らしながら絶縁抵抗を測ると、異常値を示した
(出所:エネテク)
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 すると、絶縁抵抗値は「0.368MΩ」と、大幅に下がり、この直流回路が正常な状態を示す基準値である「0.4MΩ以上」を下回り、異常を示した。

 この測定結果によって、漏電していることがわかり、応急措置を講じた。

 かじられた電線を切り離し、新たな電線とコネクターで接続したうえ、また噛まれても損傷することがないように、絶縁テープを巻いて物理的に補強した(図5)。

図5●この場所の電線を変えたうえ、テープでぐるぐる巻いて補強
(出所:エネテク)
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 この状態で、絶縁抵抗を再び測定すると、正常値に戻っていた。これにより、噛み跡の場所で漏電していたことを、改めて確認できた。

 もし、この漏電に気づかないまま発電を続けていたら、雨が降るたびに警報が届いて駆けつけることになるだけでなく、さらに噛み跡が加わるなどして、日常的に漏電が続く状態になったかもしれないとしている。

 火災などの原因になりかねないといった安全上の危険のほか、もちろん売電ロスにもつながる。

 電線の小さな噛み跡、という見逃しがちな傷が、メガソーラーの発電を止め、火災の原因になリかねない重大な不具合を生んでいた。

 エネテクによると、メガワット規模の太陽光発電所において、今回のようなわずかな外観の異常は、見つけるのが簡単ではないという。こまめに目視点検した担当者の姿勢によって発見できた面が大きいとしている。



【エネテクによるトラブル・シューティング】
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