エネテクが点検を担当した中では、砕石を敷き詰めたうえ、除草剤も使って雑草を減らしている太陽光発電所における例もあった(図3)。
冒頭に紹介した発電所に比べると、雑草に埋もれていることによるリスクは幾分か少ないものの、電線の損傷や発火の恐れが大きいことには変わらない。
大規模な施設の屋根上を活用した太陽光発電所では、土や雑草がない分、こうしたケーブルラックの上下のフタを「ケチる」工法を採用に対する心理的な障壁がさらに下がり、より多く見られるという(図4)。
屋根上の太陽光発電所の場合、電線の被覆がそのまま露出していると、日中は地上の発電所以上に直射日光を浴び続ける。
一般的に、太陽光発電所で使われる電線は、耐用年数の目安として20年間以上が示されていることが多い。ただし、それは適切な場所に、適切に敷設されていることが条件で、今回紹介した太陽光発電所における例のように、露出した状態の場合は、劣化が早く損傷しやすくなり、目安の耐用年数より短い期間で交換する必要が出てきたり、何よりも火災などの重大な事故を引き起こしかねず、危険が大きいとしている。