トラブル

串間市のバイオマス発電所、「発火事故」乗り越え安定稼働に(page 2)

国内初、ペレット工場併設のガス化方式、「タール問題」も克服

2020/03/18 05:00
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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温水乾燥機の内部で発火

 昨秋の発火事故は、このプロセスの中で、おが粉を乾燥させる「温水乾燥機」で起きた。10月16日午前10時30分頃に乾燥設備の内部から発火し、排気ファンと設備内部の後方まで延焼した。消防に通報、消火活動により同日午後2 時ごろに鎮火した。負傷者はなく、近隣周辺への延焼もなかった(図3)。

図3●発火事故の起きた温水乾燥機
写真は事故後、改修済みの様子(出所:日経BP)
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 ガス化装置の燃料であるペレットは、含水率8~10%まで乾燥させる必要がある。生木である未利用材を粉砕しておが粉にした時点で含水率は約50%で、これを乾燥機に通すことで13%程度まで下げている。さらにペレット成形時の加熱で含水率は8~10%になる。

 導入した温水乾燥機はドイツStela(ステラ)社製の低温ベルトドライヤー(ベルトコンベア式乾燥機)で、100度以下の低温を有効利用できるのが特徴だ。

 「大生黒潮発電所」の乾燥工程の仕組みはこうだ。ガスエンジン発電機の排熱で約80℃の温水をつくり、この温水と熱交換した40~60℃の温風を吹き付けて乾燥室内のおが粉を加熱する。温風は4カ所から吸気し、1カ所のファンで排気している。乾燥装置の前方から投入されたおが粉は、ベルトコンベアの上を後方に移動しながら徐々に乾燥していく。

 10月の事故では、乾燥設備内部で発火し、排気ファンと乾燥設備内部の後方に延焼した。排気ダクトから炎が吹き上がり、設備内後方のおが粉が燃え、その近くの壁面が焼けこげたという。装置内前方のおが粉は、まだ含水率が高いことから、燃え移らなかった。

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