トラブル

「ラピュタの城」のように雑草に覆われた太陽光・続編、除草後に盗難の被害に(page 2)

エネテク 第46回

2020/04/09 05:00
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 この太陽光発電所で最近、新たなトラブルが生じた。電線が切断されて盗まれたのである(図2)。

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図2●現在の様子
電線を盗まれた後の配管などはテープでふさいで応急措置されている(出所:日経BP)

 電線の盗難は、国内各地の太陽光発電所で多く起きており、報じられることも多い。こうした盗難は、銅線の取引価格が高騰していることが背景にある。太陽光発電所では、主にパワーコンディショナー(PCS)以降の送電を担う、交流変換後の出力側の電線が盗まれることが多い。

 この低圧太陽光発電所は、点検する条件として除草したため、以前のように「ラピュタの城」のような雑草の深い繁みに覆われた様相ではなくなっている。手入れが行き届き、敷地の内外ともに不自由なく通行できるように変わっている。

 盗難の被害に関してだけをみれば、しっかりと除草したことが仇になったかもしれない。以前の状態では、ツル植物がしつこく絡みついていて、電線を盗むどころではなく、敷地に近づくことも容易ではなかったからである。

 だからといって、以前のように適切に管理していない状態に戻したり、除草を怠るべきではない。雑草に覆われた状態は、何らかの理由で発電設備からの火花(アーク)や過熱をきっかけに雑草が燃え、火災を引き起こす恐れもある。安全性に大きな問題を抱えることになる。

 また、この発電所の場合、水がたまっていた集電箱は絶縁抵抗値が極端に低く、もう少しで安全機能が働いて漏電遮断器が動作する可能性が高い状態だった。漏電遮断器が動作すれば、売電は止まる。雑草の状態が安全性や信頼性、売電にも大きな影響を及ぼすことが予想され、この面でも適切に管理すべきとしている。

 太陽光発電所は無人の場合がほとんどで、しかも、通行の少ない場所に立地することが多い。外周をフェンスなどでしっかりと囲い、遠隔監視カメラを導入していても、カメラの死角からフェンスを切って侵入されることがある。今回の例でも、フェンスが切られ、遠隔監視システムの一部の配線が切られていた(図3)。

図3●通信機器の電線も切られていた
(出所:日経BP)
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