トラブル

高山のバイオマス発電、トラブルを乗り越え安定稼働に

地域産の木質ペレットでFIT売電、排熱を温浴施設に供給

2020/04/16 15:30
金子憲治=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
印刷用ページ

FIT売電+熱の販売

 「宇津江四十八滝温泉 しぶきの湯 遊湯館」は、岐阜県高山市の北部、県立自然公園・宇津江四十八滝のふもとにある日帰りの温浴施設。和風と洋風の大浴場のほか、露天ぶろや岩盤浴などがあり、滝めぐりの疲れをお湯につかって癒せることで人気だ。

 この温浴施設のお湯は、高山市近郊の未利用材を燃料にした熱源で供給されている。しかも、単にボイラー燃料に使っているのではなく、木材を燃料にまず電気に変換し、排熱を給湯に使う。地域のバイオマスエネルギーを地域で効率的に利用している(図1)。

図1●「宇津江四十八滝温泉 しぶきの湯 遊湯館」
(出所:日経BP)
クリックすると拡大した画像が開きます

 「遊湯館」に熱を供給しているのは、同施設に隣接している「飛騨高山しぶきの湯 小型木質バイオマス発電所」だ。2017年5月に運転を開始した。小型のガス化装置で木質ペレットを蒸し焼き(熱分解)して、一酸化炭素や水素など可燃性ガスを取り出し、それを燃料にガスエンジン発電機を稼働させ、排熱を回収している。

 発電した電気は電力系統に送電して、固定価格買取制度(FIT)を活用して全量売電し、熱は「遊湯館」に販売している。湯遊館では、浴槽やカラン、暖房に利用している。運転を開始してからシステム停止のトラブルに悩まされたが、ここにきてようやく安定運用を実現した。

  • 記事ランキング