トラブル

売電量が2桁も下ぶれ! 原因は影によるアレイ下段の出力低下(page 2)

エネテク 第47回

2020/04/23 05:00
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 エネテクが詳細を調べた例の一つでは、アレイの最下段の太陽光パネル同士のみを直列接続してストリングを構成していた発電所において、最下段に横向きに固定された太陽光パネル内で下側のセル(発電素子)が1枚半分、影に覆われた状態でそのストリングの発電量がゼロとなっていた(図2)。

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図2●最下段の太陽光パネルのセル1個半分の影でストリングの発電量がゼロに
下の画像で、複数のアレイにおいて、同じように下からセル1個半分までは真っ黒、その上のセル4個半分は真っ白に熱分布が表示されている(出所:エネテク)
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 ストリングを構成している18枚のパネルのうち14枚でセルが1枚半分、影に覆われている。残りの4枚半のセルには、日射が当たっている。

 この影は前列のアレイによって生じている。ストリングの電流を測ると「0A」を示し、まったく発電していなかった。エネテクでは、影が抵抗のように働くことで電流が流れにくくなり、最終的にストリングの発電量がゼロになっていると分析している。

 太陽光発電所の開発において、初期の案件ではアレイ間の間隔を十分に広げていることが多い一方、その後は、敷地の面積当たりの発電量の最大化を目指す発想と太陽光パネルの価格低下が重なって、アレイの下段に前列の影がかかる日時が長くても、より多い枚数のパネルを並べることによってパワーコンディショナー(PCS)をできるだけフル出力近くで稼働させ、年間発電量をより増やそうとする発電所が増えてきている。

 こうした発想の発電所では、PCS単位での発電量の最大化を目的に、この例のように、影がかかる太陽光パネルのみでストリングを構成していることが多い。

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