このシリーズでは、エネテク(愛知県小牧市)が、太陽光発電所の点検やO&M(運用・保守)サービスを担う中で対応してきたトラブル事例を紹介している。同社は、2007年に創業した電気設備工事会社で、太陽光発電の施工も多く担当してきた。O&Mサービスでは、点検時に原因分析だけでなく、状況によっては、その場で不具合の原因を解消するといったワンストップの対応が特徴となっている(関連コラム)。
今回は、パワーコンディショナー(PCS)内に鳥や小動物が巣を作り、発電が止まっていた例を取り上げる。
大型の倉庫を活用したメガソーラー(大規模太陽光発電所)の点検をエネテクが受託し、現地での点検作業中に見つかった(図1)。
この倉庫では、屋根の上に太陽光パネルを並べている。ここまでは、倉庫や工場などの大型の事業所などで多く見られる光景だが、この倉庫では、PCSまで高い位置に設置されていた。屋根上ではなく、倉庫の中ではあったものの、屋根に近いとても高い位置に固定されていて、点検のために近づくのもひと苦労だった。
そして、高い位置に設置されていたことが、今回のトラブルの一つの要因となった。
このメガソーラーで採用されていたのは小型のPCSで、いわゆる分散型の構成となっていた。
PCSの状態を調べてみると、まず稼働が止まっているものがいくつもあった。このメガソーラーは、稼働してから約5年が経過しており、いつから止まっていたのかは定かではない。
点検を始めてみると、作業中に発火した場所まで出てくるなど、さまざまなトラブルが起きた。
高い場所に設置されているPCSは、下側に入出力の端子があり、その一帯を工具で開けることができる。