トラブル

キュービクルに通電の初期不良、ずさんな製造が散見

エネテク 第50回

2020/07/16 05:00
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 このシリーズでは、エネテク(愛知県小牧市)が、太陽光発電所の点検やO&M(運用・保守)サービスを担う中で対応してきたトラブル事例を紹介している。同社は、2007年に創業した電気設備工事会社で、太陽光発電の施工も多く手掛けてきた。O&Mサービスでは、点検時に原因分析だけでなく、状況によっては、その場で不具合の原因を解消するといったワンストップの対応が特徴となっている(関連コラム)。

 今回は、系統連系用の昇圧変圧器(キュービクル)に見つかった不良を紹介する。電力会社の送配電線への接続で指定されている電圧に上げるために使われる。

 運転開始前の太陽光発電所における使用前自主点検(竣工検査)をエネテクが受託し、現地での点検作業中に見つかった。かなり初歩的なレベルの初期不良だった。

 このキュービクルの竣工検査において、絶縁抵抗を測定した。すると、測定値から、十分に絶縁できておらず漏電している場所があることがわかった。漏電の度合いによっては、危険を伴うため、電源を入れられない状態の可能性もあった。

 そこで、漏電している可能性がある場所を調査したところ、疑わしい場所が見つかった(図1)。

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図1●ボルトとワッシャーが電線を噛んでいた
(出所:エネテク)
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 筐体をボルトで締めて固定している場所だった。ワッシャー(平板状の補助材)と筐体の間に電線が挟まって押し潰されていた。2本の電線からなるユニットのうち1本の電線が、押し潰されていた。

 ボルトとワッシャーの端で少し噛んでいる程度ではなく、ど真ん中付近で電線をぎっちり押し潰しており、電線は平らに潰れている状態だった。これではしっかり通電できない。

 エネテクによると、この状況から、キュービクルの製造中に起きた初期不良と推測している。顧客には、メーカーに初期不良としての対応を依頼し、電線ユニットの交換といった根本的な措置を求めるように助言した。

 エネテクでは、応急措置を講じた。この電線のうち、押しつぶされていた部分を切り、そこを除いた残りの正常な部分同士で電線をつないだ。この状態で再び測定すると、正常な状態であることを確認できた。これによって漏電が解消した。

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