トラブル

損壊した佐賀・白石町の水上メガソーラー、設計改善して復旧へ

ケーブルの取り付け位置を内側にも分散化

2020/07/09 05:00
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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台風17号で半数のパネルが損壊

 昨年9月22日夜、台風17号が長崎県や佐賀県に来襲し、最大瞬間風速40m/s前後を記録する強風に見舞われた。この強風により、同県白石町で稼働していた水上メガソーラー「新拓溜池MS発電所」が大規模に損壊した。北側湖畔の岸辺にフロート架台が押し流されて、多くの架台とパネルが飛散した。

 同発電所は、ウエストホールディングスの子会社であるウエストエネルギーソリューション(広島市)が、2015年11月に運転を開始した。同社が、町有の「有明貯水池」の水面を借りて水上メガソーラーを建設した。パネル出力は2376kWに達する(図1)。

図1●損壊する前の「新拓溜池MS発電所」
(出所:ウエストエネルギーソリューション)
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 強風による大規模な損壊を受け、ウエストエネルギーソリューションは、設計の改善を検討してきた。今春まで設計方針が固まり、復旧工事に着手した。6月までにフロート架台の設置が完了し、太陽光パネルの設置が始まった。早ければ7月末には完成する予定だ。

 損壊前の「新拓溜池MS発電所」は、太陽光パネル1枚を1つのフロートに取り付け、それを連結して、約100m四方のほぼ正方形の“島”を形成し、池の北東エリアに浮かべ、島の端部分をアンカーケーブルで湖底とつなぎ、固定していた。岸の北側からは10~15m、東側は20~30mの距離を離して浮かべていた。

 強風によって四角いパネル島の南東端が東の岸側に傾きながら、全体が北側の岸に押し流された。岸に達したフロートは後ろの架台から次々と押され、数mの岸をせり上がった。先端部分の架台は、池を囲む周回道との境にあるコンクリート製の柵にぶつかり、横転しつつ折り重なっていった(図2)。

図2●損壊した「新拓溜池MS発電所」。フロートに設置した分散型パワーコンデショナーも流された
(出所:日経BP)
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 その過程で、架台と架台の連結部分が部分的に外れ、一部がバラバラになって湖面や岸に飛散したと見られる。陸に乗り上げたり、まくれ上がったりしたフロートと太陽光パネルは、全体の約半数に及んだ(図3)。

図3●損壊した「新拓溜池MS発電所」。岸の上まで押し流された
(出所:日経BP)
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