トラブル

雨が降ると稼働を止めるパワコン、「過敏な仕様」に起因

エネテク 第53回

2020/09/03 05:00
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 このシリーズでは、エネテク(愛知県小牧市)が、太陽光発電所の点検やO&M(運用・保守)サービスを担う中で対応してきたトラブル事例を紹介している。同社は、2007年に創業した電気設備工事会社で、太陽光発電の施工も多く手掛けてきた。O&Mサービスでは、点検時に原因分析だけでなく、状況によっては、その場で不具合の原因を解消するといったワンストップの対応が特徴となっている(関連コラム)。

 今回は、雨が降ると頻繁に停止するパワーコンディショナー(PCS)に関するトラブルを紹介する。国内メーカー製の特定の機種で生じている。この機種は、いわゆる集中型のPCSとして広く採用されている。

 エネテクが点検を受託している沿岸地域の太陽光発電所で、この発電所では雨が降るたびに頻繁にPCSが稼働を停止する。安全機能が働くことによる停止で、その原因として「地絡」が通知される。

 雨が降り続いていたり、敷地内に水たまりが残っているような状態の時には、PCSはこの状態のままで稼働を復旧できない。晴れて、しかも、敷地内からある程度、水がはけてきて、ようやくPCSが再起動する。

 その後、再び雨が降ると、同じようにPCSが稼働を止める。この状況が繰り返されている。

 エネテクでは、PCSやPCSまでの送電経路を点検してきたが、絶縁の状態が不十分で地絡が生じていることが疑われる場所は見つかっていない。

 ただし、この太陽光発電所は立地上、雨天時には、発電設備全体の絶縁の状況が比較的、悪くなりやすいという。

 まず、沿岸部にあり、塩害の影響が発電設備全体にじわじわと及んでいる印象を受けるという。PCS内を見ても、フィルターをはじめ、赤い錆(さび)が広く生じている場所がある()。

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図●パワコンのフィルター周辺の錆
(出所:エネテク)
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