ここ数年、梅雨から台風の季節になると、日本列島は毎年のように激しい風雨に襲われ、河川の溢水や氾濫、土砂崩れなどの被害が発生している。今年の夏も、7月の全国的な大雨、そして9月初旬に九州に上陸した台風10号などで大小の被害が報告された。
なかでも、「令和2年7月豪雨」では、日本列島に停滞した前線の影響で、暖かく湿った空気が継続して流れ込み、九州や東北など各地で大雨となり、大きな被害が出た。
九州では、7月4に熊本県を流れる球磨川の本流や支流が氾濫し、広範囲で土砂崩れや浸水被害が発生した。人吉市では、市街地が3~5mもの深さまで浸水し、1階建て店舗の屋根上に設置した太陽光パネルにも水に浸った痕跡が残っている(図1)。