隣り合う配管の中には、燃えてなくなって空洞となっている場所もあった。電線も被覆が長い範囲で焦げて炭化していた。
電線が激しく炭化していた回路は(図2)、送電が停止していた。
送電に異常をきたしていただけでなく、安全上も大変に危険な状態だった。
ダンゴムシが棲み付いていた配管内に電線が通っていたストリングは、送電が続いていた。エネテクでは、安全を考慮して、発電事業者にこの回路の送電を止めるように助言した。発電事業者がこれを受け入れ、送電を止めた。
電線や配管が燃えたり焦げたりした際に、幸いにも雑草に燃え移った形跡はなかった。雑草は比較的、しっかり刈られており、その状態が奏功したようだ。
こうした安全面・防災面でも、適切な草刈りは重要なことを示す例といえる。
電線や配管が燃えたり焦げたりする原因は、発電設備のずさんな設計や施工による場合が多い。このような不具合は、これまでの連載でも度々取り上げてきた。
しかし、エネテクが調べた限り、この発電所に関しては、このような設計や施工時の不手際によるものではなさそうだという。