ストリング全体が過熱し、見つけやすい
分散型PCSから電線が外れていたストリング(太陽光パネルを接続する単位)は、全体の送電が止まる。
このため、発電電力のエネルギーが熱に変わり、全体が過熱する。ドローンによる熱分布画像を見ると、そうした状況がひと目でわかる(図1、動画)。
図1・動画●ストリング全体が過熱している
(出所:エナジー・ソリューションズ)
このストリング全体の熱分布の異常を見つけ、該当するストリングの分散型PCSへの入力端子を確認すると、3カ所とも電線が外れていた。
1カ所目は、電線がきれいな状態で外れていた。2カ所目は、電線を保護する樹脂の被覆が破れて銅線が露出していた。
3カ所目は、キバで噛んだような跡がついており、近くにはサルのフンが落ちていた。これによって、サルによる仕業と推測できた(図2)。
ただ、サルのいたずらにしては、1カ所目のコネクターが、損傷がまったくなく、きれいに外れていたことが不思議だった。
これは、端子への着脱に使うコネクター側の突起が、たまたまサルのツメがうまく合う寸法で、偶然、うまく突起が押されて容易に外れたのではないかみている。
サルが電線を外したのは、夜間と推測している。日中は太陽光発電電力が流れているため、その状態で入力端子から電線を外したら、サルでも感電してしまうためである。
ガラスの割れも、サルが地上から投石したことによるものではないかと予想している。