トラブル

火災で停止した静岡県小山町のバイオマス発電、今夏に暫定再稼働へ(page 3)

熱供給事業にも乗り出し、事業収支の改善を目指す

2021/01/28 19:00
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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2023年に熱供給事業目指す

 火災事故の後、小山町副町長や有識者などからなる検討委員会が開かれ、事故の再発防止を念頭にした安全性の確保とともに、事業の持続可能性の観点から、将来的に赤字から脱却できるのか、という点なども議論された。こうした論点で、展望が見出せなければ、「廃止」の可能性も含めて検討した。

 安全の確保に関しては、火元と思われる、飛灰を貯めておく容器が問題になった。原因は特定できないとはいえ、強風による容器の損傷が考えられることから、その周囲を十分に丈夫な囲いで覆い、長期間、強風や雨に晒されても、損傷して中に空気が吹き込まない構造に改良する方向になった。

 もう1つの論点であった事業収支の改善に関しては、発電設備の稼働率87%という目標を達成しつつ、排熱を活用した熱供給事業を2023年度に開始するという目標を設定することで、再稼働するとした。

 ただ、検討委員会は今後も存続させ、運転状況を継続的に監視しつつ、長期的な方向を再検討するという前提から、町では「暫定再稼働」という表現を使っている。

 具体的には、2021年6月までに設備の修繕を完了して試運転を開始し、8月には再稼働に入り、目標稼働率87%を目指す。さらに2023年度には熱供給事業を開始し、これにより事業収支の黒字を達成するとしている。FITの売電期間は2039年4月で、起債の償還は同年3月を予定している(図4)。

図4●小山町木質バイオマス発電事業に関する今後の方向性
(出所:小山町)
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