トラブル

「過剰な太陽光パネル廃棄、過剰な保険金の風潮を改めよう」、豪雪の被害調査に「EL」を持ち込んだワケ

エネテク 第66回

2021/04/30 06:06
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
印刷用ページ

 このシリーズでは、エネテク(愛知県小牧市)が、太陽光発電所の点検やO&M(運用・保守)サービスを担う中で対応してきたトラブル事例を取り上げている。同社は、2007年に創業した電気設備工事会社で、太陽光発電の施工も多く手掛けてきた。O&Mサービスでは、点検時に原因分析だけでなく、状況によっては、その場で不具合の原因を解消するといったワンストップの対応が特徴となっている。

 2020年~21年にかけての冬は、東北地方で豪雪に見舞われる地域が多かった。ある程度の積雪には備えている設計の太陽光発電設備であっても、想定を大きく超えるような積雪量の降雪が度重なることで損壊してしまった例が広く生じている。

 また、北海道や北陸のいわゆる豪雪地域に立地する太陽光発電所に比べると、積雪への備えが十分ではない場合もあり、こうした発電所の中には壊滅的な被害を受けた例もある(関連コラム:今冬の豪雪で奏功、予防保全の「吹き飛ばして、積もらせない除雪」)。

 このような中、エネテクは4月、東北地方にある複数の太陽光発電所における、雪害による太陽光パネルの損壊状況の調査を担当した(図1)。いずれも豪雪によってアレイ(太陽光パネルを架台に固定する単位)が大きく損壊した発電所で、低圧配電線に連系している発電所だった。

クリックすると拡大した画像が開きます
図1●4カ所の低圧事業用発電所で雪害の被災状況を調査
図1●4カ所の低圧事業用発電所で雪害の被災状況を調査
(出所:日経BP)
クリックすると拡大した画像が開きます

 エネテクに調査を依頼したのは、日本太陽光発電検査技術協会(京都市中京区)である。名称の通り、太陽光発電設備の点検技術の確立や向上、技術者の育成などを目的とする団体で、関連企業が多く入会している。

 同協会の代表理事を、東北に本拠を置くアイシック(仙台市泉区)の斉藤昭雄代表取締役が務めていることから、東北の豪雪被害の状況に通じており、協会の理事でもあるエネテクに調査を依頼した。

 エネテクは、こうした自然災害によって被災した太陽光発電所の点検を、無償で受託している(関連ニュース)。

 今回の調査も、これに該当することから無償で実施した。

 最初に紹介する低圧太陽光発電所は、3つのアレイで構成されている(図2)。縦向き2段の構成で、南側から北側に向けて、1列ずつ並んでいる。

クリックすると拡大した画像が開きます
クリックすると拡大した画像が開きます
図2●3つのアレイのうち、2つは下段のパネルが落下し、架台も損壊
図2●3つのアレイのうち、2つは下段のパネルが落下し、架台も損壊
(出所:日経BP)
クリックすると拡大した画像が開きます

 南側から2つのアレイが、ほぼ同じように損壊していた。下段の太陽光パネルが架台から外れて地面に落ち、斜め方向にパネルを固定している支柱は、下段の途中で切れてしまっていたり、くの字型に地面の方向にお辞儀するように折れ曲がっていた。

 北側の残る1つのアレイには、このような状況は見られず、被害を受けた様子は外見からはうかがえなかった。

  • 記事ランキング