国内各地の森林や里山で、近年、シカが急激に増えている。個体数の増加に伴い、木の皮をはがす、木の芽や草を食べつくすなど、食害による植生や生態系への影響が深刻化している。人里に近づいて、農作物を食べるといった被害も相次いでいる。
さらに昨年以来、新型コロナウイルスの感染防止策として人の往来や外出を控える対策がとられていることから、これまで以上に人里に出没する傾向にある。
このような中、シカは、里山に近い太陽光発電所に侵入することもある。
東日本にある太陽光発電所において、この発電所が導入している警備会社の遠隔警備システムが作動した。発電所内に、関係者以外が侵入した場合、敷地内に設置した遠隔監視用のカメラなどを通じて把握し、警報を通知する。
こうした場合、警備会社の担当者が、すぐに現地に駆け付ける。
そして今回、警備会社から「敷地内にシカが倒れている。今回の警報は、このシカが侵入したことで発出されたようだ」との報告が発電事業者にあった(図1)。