トラブル

続・「マチュピチュ」のような尾根筋の太陽光、発電事業を止めて撤収(page 3)

エネテク 第76回

2021/09/23 05:00
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 だが、部材を積み込んで山道を下り降りるのに悪戦苦闘した。

 まず、杭基礎や架台の支柱は長い。軽トラックの荷台に積むと、収まらずに後ろにはみ出してしまう。

 すこしはみ出す程度では済まず、まるでオナガドリの尾のように、車体から長く後ろにのびた状態になった。

 この状態でも、周囲の木々などにぶつからずに山道のカーブを曲がれれば問題はない。

 しかし、やはり曲がり切れない場所がでてきた。その場所では、軽トラックの荷台からいったん降ろして人手で運び、曲がり切った後、再び荷台に乗せて運んだ。

 その中でも、とくに長い杭は、油圧ショベルで運んで降ろした。アームには、ロープで吊り上げた。

 長い杭を吊り下げて山道を下ろす様子は、まるで酔っ払いが、お土産を吊り下げてゆらゆら歩いているような感じだったという。

 山道を降りている最中、軽トラックのタイヤが、次々とパンクするトラブルも起きた。左右の片方ではなく、両輪がパンクしてしまった。そこで軽トラックでの輸送を諦め、油圧ショベルを使って資材を運んだ。

 エネテクの点検や作業の特徴の1つに、ひとつ1つ状況を写真に撮って記録することがある。状況を正確かつ臨場感たっぷりに伝え、顧客への報告、社内での情報共有が容易になる利点がある。

 しかし、今回の撤収作業については、とくに山道を下った様子は、あとで悔やんだものの画像が残っていないという。撮影どころではないほどの苦闘だったようだ。

 このように四苦八苦したものの、無事に山のふもとまで設備と資材を運び出すことができた。

 この後の処理に関して、太陽光パネルの廃棄が手続き待ちとなっている。

 この発電所が立地する県には、太陽光パネルを産業廃棄物として処理できる企業がなく、隣県の事業者に依頼するしかない。加えて、産業廃棄物を都道府県をまたいで運搬するには制約があり、現在、この許可を得る手続きを待っている。



【エネテクによるトラブル・シューティング】
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