このメガソーラーは、木々に囲まれていて、冬には雪が積もる。いかにもシカが生息していそうな場所だった。
敷地内には、雑草がある程度、伸びていた。シカは、柔らかい草を好む。若くて柔らかい雑草が伸びている状況は、好物に囲まれた環境となっていた。
雑草はまた、身を隠す場所にもなる。冒頭で紹介した「雑草の茂みの中に、動物の気配を感じた」例は、まさにこの雑草で身を隠していた状況といえる。
とはいえ、シカは臆病なため、もし、太陽光発電所の敷地中で、点検担当者と出会ったとしても、ほとんどの場合、シカの方から逃げ去ってくれるようだ(関連インタビュー)。
エネテクの点検担当者も、カモシカの存在は気にして警戒は続けつつ、そのままカモシカが座っていた場所からは遠い場所で、点検の作業を続けた。
敷地内を移動しながら地面を観察してみると、シカの蹄によるとみられる独特の形の足跡が、多く残っている場所もあった。
カモシカは、アレイの付近にゆったりと座り続けていたが(図2)、そのうちに立ち去っていった。気づいた時には、いなくなっていたという。