トラブル

増えてきた出力抑制に関わるトラブル、「パワコン停止が頻発、原因はアリ!」

エネテク 第78回

2021/10/22 11:21
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 このシリーズでは、エネテク(愛知県小牧市)が、太陽光発電所の点検やO&M(運用・保守)サービスを担う中で対応してきたトラブル事例を取り上げている。同社は、2007年に創業した電気設備工事会社で、太陽光発電の施工も多く手掛けてきた。O&Mサービスでは、点検時に原因分析だけでなく、状況によっては、その場で不具合の原因を解消するといったワンストップの対応が特徴となっている。

 出力制御(出力抑制)のためにパワーコンディションナー(PCS)を遠隔制御するシステムを追加する例が増えている中、この遠隔制御に関連するトラブルが増えてきた。

 今回、紹介するのは、中国地方で低圧配電線に連系している太陽光発電所の例で、出力抑制の対象となっている地域に立地している。

 発電所を施工した企業が保守を担当していた。しかし、その企業が倒産してしまった。しかも、発電が停止していた。そこでエネテクが相談を受けた。

 同社が保守サービスを担当することになり、緊急を要する状況から、すぐに現地に向かった。

 現地では、9台あるPCSがすべて稼働を止めていた。PCSの表示画面には、エラーを示すコードが表示されていた。遠隔監視・制御システム上でも、同じようにエラーが表示されていた。

 PCSが稼働を停止していた原因を調べると、出力抑制に関連するもので、PCSと遠隔監視・制御システム間で通信に異常が生じていた。

 原因は、「通信の異常が5分間以上続くと、PCSの稼働を停止する」という機能にあった。これは、電力会社側からの遠隔制御の条件として新たに追加したものだった。この機能が働いて9台のPCSすべてが稼働を止めていた。

 PCSのメーカーと遠隔監視・制御システムのメーカーに問い合わせ、すべてのPCSの稼働を復旧させた。売電の停止から復旧まで、少なくとも1週間以上が経っていた。

 この時点では、PCSと遠隔監視・制御システムの間の通信異常の原因は特定できていなかった。

 遠隔監視・制御システムの通信異常は、太陽光発電所でよく起こるトラブルの代表例でもある。一度、復旧させても、原因まで特定できないことが多い。

 とくに、通信側に原因の多くがある場合、それを特定することは難しい。その時の電波の状況や、近隣の系統が停電していたといった理由でも停止することがある。時間が経過すると自然に復旧していることもある。

 現実的に、その発電所の特性を見極めて復旧させるしか対処方法がないようだ。

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