トラブル

今夏、太陽光の被災状況を総括、低圧サイトが半数以上(page 2)

夏の大雨で広島、山口、長崎などで太陽光発電所が被災

2021/12/07 05:00
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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土石流の原因と疑われたが…

 ここ数年、日本列島は、春から夏、秋にかけて毎年のように豪雨や台風に見舞われている。2018年と2019年は、勢力の強い台風が相次いで上陸して太陽光パネルの飛散や浸水、土砂崩れの被害があった。2020年は、台風の直撃は少なかったものの、7月に停滞した前線の影響で、九州や東北など各地で大雨となり、大きな被害が出た。

 2021年も昨年と似た傾向で、台風の上陸は少なかったものの、7月初めに梅雨前線の停滞による「令和3年7月豪雨」があり、静岡県や広島県、島根県などで、浸水や土砂崩れによる被害があった。中でも、静岡県熱海市伊豆山では、大規模な土石流が発生し、当初、被害地区に近い山に設置されていた低圧連系の太陽光発電所が保水力低下の原因と疑われた。しかし、最終的に土石流の原因は山間に積まれた「盛り土」と推定され、太陽光発電所との因果関係は否定された(図2)。

図2●伊豆山土砂災害では、太陽光電所建設との関係が疑われたものの、最終的に直接的な要因ではないとの結論となった
図2●伊豆山土砂災害では、太陽光電所建設との関係が疑われたものの、最終的に直接的な要因ではないとの結論となった
(出所:熱海市ホームページ)
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 ただ、もともと伊豆山周辺ではメガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設計画もあり、熱海市で起きた土砂災害を機に、斜面設置の太陽光発電所に対する議論が活発化した。全国の自治体でも、斜面に設置した太陽光パネルにより地域の災害リスクが増すとの懸念が高まり、条例で立地規制を行うなどの動きも出てきた。

 一方、その後も、全国的にゲリラ豪雨などによる災害が頻発した。8月に入ると、青森県や福岡県、佐賀県、長崎県、山口県など、9月には長野県などで大雨による家屋の浸水などの被害が発生し、複数の市町村に災害救助法が適用された。

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