トラブル

落雷で被災、焼いた餅のようにジャンクションボックスが膨らみ、回路ごと焼損

エネテク 第86回

2022/02/17 22:26
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 このシリーズでは、エネテク(愛知県小牧市)が、太陽光発電所の点検やO&M(運用・保守)サービスを担う中で対応してきたトラブル事例を取り上げている。同社は、2007年に創業した電気設備工事会社で、太陽光発電の施工も多く担当してきた。O&Mサービスでは、点検時に原因分析だけでなく、状況によっては、その場で不具合の原因を解消するといったワンストップの対応が特徴となっている。

 今回は、落雷によって被災した太陽光発電所の例を取り上げる。一般的な遠隔監視システムのデータだけでは発見が難しい例だったという。

 というのは、まず、発電所全体に対して被災した範囲が限定的だったこと。さらに、連系出力に対して大幅に太陽光パネルの出力を増やす、いわゆる過積載比率の高い設備という点である。

 加えて、集中型のパワーコンディショナー(PCS)に対して、接続箱の入力端子を通じたストリング(太陽光パネルを接続した単位)ごとの監視システムでなかったことも、遠隔監視による発見を難しくした。

 被災を発見したきっかけは、電気主任技術者による年次点検だった。発電設備にいくつかの損傷が見つかった。その後、詳細な点検をエネテクが受託して実施した。

 今回の被災は、「誘導雷」によって生じる接続箱や太陽光パネルの損傷で典型的な例の1つだったようだ。

 雷がその場所に落ちる「直撃雷」に対して、「誘導雷」は、近くに雷が落ちた際の電磁界によって設備が損傷する。

 落雷による電気エネルギーが空間を伝わり、送電線や通信線などに雷サージ(雷の影響により、瞬間的に発生する過電圧や過電流)が侵入して電気設備に定格を大きく超える電圧がかかり、損傷する。

 今回の太陽光発電所ではまず、特定の1台の接続箱で開閉器の全体が焼損したり、ヒューズ切れといった被害が生じた(図1)。

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図1●入力部が焼損したりヒューズが切れていたりした
図1●入力部が焼損したりヒューズが切れていたりした
(出所:エネテク)
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