被災後、約2年で再稼働
2019年夏に台風で被災し、大規模に損壊した水上メガソーラー(大規模太陽光発電所)「千葉・ 山倉水上メガソーラー発電所」が復旧し、昨年10月に2年ぶりに稼働した。
千葉県市原市の山倉ダムにある同発電所は、太陽光パネルを載せたフロートを連結した「アイランド(島)」が1つだったが、復旧に伴う設計変更で小さな6つの島に分割した。連系出力11.5MW、太陽光パネルの出力13.7MWという設備規模は、当初のまま維持し、水上太陽光発電所としては、依然として国内で最大になる。発電事業者は東京センチュリーと京セラが共同出資する京セラTCLソーラー(東京都千代田区)となる(図1)(図2)。
山倉ダムは千葉県企業庁の管理する工業用水専用のため池で、同発電所は2018年春に完工した。同年3月には森田健作・前千葉県知事をはじめ約100人が参加し、竣工式が盛大に開催された。式典の記者会見で、発電事業者の京セラ幹部は、「400本以上のアンカーを湖底に取り付け、係留ワイヤーで繋いでいるため強風でフロートが流されたり、横転したりすることはない。最大風速41.5m/秒にも耐えられるよう設計している」と説明していた。
しかし、そのわずか1年半後の2019年9月9日の未明、台風15号が千葉県を通過した際の強風で、アイランドが岸まで押し流された。1つだった島は3つに分断された。フロート架台の多くがまくれ上がったり、折り重なったりした。同日午後には、損壊した水上のパネル・フロートから発火し、炎と煙が立ち上った(図3)(図4)。