現地レポート アメリカ太陽光発電の最前線

米最大「690MW太陽光+360MW蓄電池」がネバダ州で計画

州所有地に建設、トランプ政権の承認で動き出す

2020/01/10 05:00
Junko Movellan=ジャーナリスト

州政府の所有地内に建設

 現在、米ネバダ州で、国内だけでなく、世界でも最大規模と言われる「太陽光+蓄電池」プロジェクトの開発が始まろうとしている。

 プロジェクトの正式名称は「ジェミニ・ソーラー+バッテリー(ジェミニ)」と呼ばれ、連系出力690MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)に、連系出力360MW(容量1520MWh)のエネルギー貯蔵設備が併設される(図1)。

図1●「ジェミニ・ソーラー+バッテリー」計画図
(出所:Quinbrook Infrastructure Partners)
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 このプロジェクトは規模だけでなく、政治的な面でもニュースになっている。それは、このプロジェクトがネバダ州連邦政府の所有地に開発される予定で、この場合、州だけではなく、連邦の各種機関より許認可を取得する必要があるからだ。

オバマ政権下では「拒否」

 米国内務省土地管理局(BLM)が、主として西部の数百万haに達する公有地の土地と資源を監督している。ちなみに、大自然のスケールと迫力を満喫できるグランドキャニオンと1日24時間、ネオンが輝くカジノが並ぶラスベガスで有名なネバダ州だが、州全体の面積のうち約 83%が連邦政府の所有地になるという。BLMが、土地管理局管轄地における土地使用、施設建設許可などを発行する(図2)。

図2●BLMに選択された発電事業用太陽光発電に適した「ソーラーエネルギーゾーン(太陽のマーク)」(計19カ所)
(出所:The U.S. Department of Interior Bureau of Land Management)
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 昨年12月にネバダ州公益事業委員会は、このプロジェクトによる長期電力購入契約(PPA)を認可した。この契約は、ネバタ州を管轄エリアとしている大手電力会社であるエヌヴィ・エネルギー社と、オーストラリアに拠点を持ち、低炭素・再生可能エネルギーインフラプロジェクトへの投資・運営、そしてアセット経営に特化した投資運用会社であるクインブルックス・インフラストラクチャー・パートナーズ(クインブルックス)間で結ばれる。

 実は、前オバマ政権下のBLMは、風力と太陽光の開発から繊細な砂漠の土地の保護を求める保護団体との合意の下、このプロジェクトの開発を拒否した。しかし、トランプ政権はこれを承認する意図を声明した。

2023年12月までに稼働

 このプロジェクトは、トランプ政権のBLMが連邦の土地でのメガソーラー建設を承認した3つ目のケースになる。 2018年6月、BLMはワイオミング州での80 MWのプロジェクトを承認し、次いで2018年11月、同局はカリフォルニア州南東部に位置するジョシュア・ツリー国立公園外に550 MWのメガソーラーの建設を承認した。

 ネバダ州ラスベガスの北東33マイルにあるBLMが管理する約7100エーカーの土地に建設されるジェミニは、計画された開発の第1段階で、まず出力440MWの太陽光発電設備が建設される。

 クインブルックスのパートナーであるアレビタ・パワーがプロジェクトの建設を管轄する。アレビタ・パワーは、カリフォルニア州レッドウッズ市に拠点を置く、発電事業用太陽光発電所の開発、運営、そして所有に特化したプロジェクトデベロッパーである。アレビタ・パワーによると、ジェミニの建設は2020年前半に開始予定で、エヌヴィ・エネルギー社の契約下、プロジェクトは、2023年12月までに稼働・発電を開始しなければならない。

ネバダ州「2050年までに100%」

 ちなみに、ネバダ州は、よりクリーンで、グリーンなエネルギー将来を目指し、州レベルでクリーンエネルギー転換を達成する最も重要な政策である「再生可能エネルギー・ポートフォリオ基準(RPS)」を昨年4月に大きく引き上げた。

 現在同州のRPS法のもと、2030年までに同州の電力源の50%を再エネで、そして2050年までに100%をカーボンフリー(二酸化炭素排出ゼロ)電源で賄うことを法律で規定している。

 ジェミニプロジェクトは、エヌヴィ・エネルギー社のこのRPS法に遵守に一歩近くもので、2019年12月にネバダ州公益事業委員会によって承認されたエヌヴィ・エネルギー社の資源総合計画(Integrated Resource Plan =IRP)には、ジェミニのプロジェクトを含む計1190 MW(1.19GW)の「太陽光発電+蓄電池」のプロジェクトが含まれていた。

 ちなみに、ジェミニプロジェクトの開発コストは、10億ドルと言われている。