最初の3案件で1GW
砂漠というと不毛な大地というイメージもあるが、カリフォルニア州の砂漠には、地下には様々な資源、地上には多様な動植物が生息しており、それらの生態系を維持するため多くの保護区がある。さらに、この地域には太陽光、風力、地熱エネルギー資源が豊富にあり、その潜在量は米国内でも最高レベルになる。
BLMは、 「これらの再生可能エネルギーは、国のエネルギー需要を満たし、エネルギー自立を促進し、今後数十年にわたって気候変動に対処するために温室効果ガスを削減する上で重要な役割を果たす」とし、「砂漠の再エネ保全計画(DRECP:The Desert Renewable Energy Conservation Plan)」を立ち上げた(図2)。
DRECPは、カリフォルニア州の7つの郡(インペリアル、イニョ、カーン、ロサンゼルス、リバーサイド、サンバーナーディーノ、サンディエゴ)の砂漠地域にある1080万エーカーの公有地に着目し、ユニークで価値のある砂漠の生態系を保護しつつ、アウトドアのレクリエーションの機会を提供しながら、再エネ開発を合理化する包括的な計画としている。
DRECPには2つの主要な目標がある。 1つは、連邦および州の再エネ導入の目標と方針に沿って、カリフォルニア州南部の砂漠で発電事業用の大規模な再エネ発電と送電インフラを開発するための合理化されたプロセスを提供すること。 もう1つは、持続的な規制手法によって、DRECP地域内における他の物理的、文化的、景観的、社会的な資源だけでなく、特殊な生物種や砂漠の植生群落の長期的な保全と管理を提供することである。この「合理化されたプロセス」には、再エネプロジェクトのタイムリーな許可プロセスの促進が含まれている。
具体的に、BLMは、2021年12月21日、カリフォルニア州南部にあるジョシュアツリー国立公園近くの砂漠地帯における3つのメガソーラープロジェクトの進行を承認すると発表した。これらは、DRECPにおける最初の案件になり、3つで約1GWという大規模なものだ。