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米国の太陽光、発電事業用「オフサイトPPA」の契約価格が急低下

風力と逆転し最安に、2020年のメガソーラーPPA価格の相場は?

2022/01/24 05:00
Junko Movellan=ジャーナリスト
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PPA価格は10年で85%低下

 米国における発電事業用の太陽光発電市場に関する最新の分析レポートを米ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory:LBNL)が2021年10月に発表した。その中にPPA(電力購入契約)による太陽光発電事業における価格分析も含まれている。

 このレポートによると、発電事業用の太陽光発電所のPPAスキームによる売電価格は、過去10年間で平均約85%も低下したという。日射量に恵まれ、太陽光発電の導入が最も進んだ米国西部のプロジェクトにおけるPPA価格は、約20ドル/ MWh(約2セント/kWh)まで下がった。さらに、現在、米国の多くの地域で、太陽光発電のPPA価格は風力発電よりも安価になっているという。

 PPA価格は、電力市場と同じで、家庭用、商業用などを含む小売価格、そして発電事業用の卸価格と、セグメントで異なる。このLBNLのデータ分析は、「発電事業用太陽光発電」における、5MW-AC(交流・連系出力ベース)以上の地上設置型に焦点を絞っている。レポートの筆者のマーク・ボリンガー氏によると、このレポートに使用された発電事業用の太陽光発電PPAデータサンプルは、電力会社または他の非企業のオフテイカー(電力購入者)を含むという。

 米企業の採用しているPPAスキームは、多くの場合、金融手法によって決済され、環境価値と電力を分離して、購入者への物理的な電力の供給を伴わない「バーチャル」取引として構成される。ただ、このレポートのサンプルのほとんどは、こうした「バーチャルPPA」ではなく、電力会社の間で普及している「フィジカル(物理的)PPA」を集計の対象としたという。

 さらに、このレポートのデータサンプルは、オフテイカーの敷地外にある再エネから電力を購入する「オフサイト型」がほとんどという。ただ、太陽光発電所がオフテイカーの敷地内に設置されている「オンサイト型」のケースもごく少数あり、例えば、データセンターを運営するIT企業が、自社のデータセンターに隣接して設置された第3者所有の太陽光発電所から電力を購入するケースなどという。

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