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新大統領の「バイ・アメリカン」で米国内の太陽電池生産は復活するか!?(page 2)

前政権の輸入関税でも輸入パネルは増え、米国内のセル生産は姿消す

2021/01/29 05:00
Junko Movellan=ジャーナリスト
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「メイド・イン・アメリカ」の定義に注目

 「バイ・アメリカン条項」は国内の太陽光発電産業にポジティブな影響をもたらすことはできるのであろうか?

 「バイデン大統領は、選挙活動中に公約として、製造業と雇用の復活のために、『メイド・イン・アメリカ』に対する税控除制度を含む7000億米ドルのインセンティブを提案しました。 ほとんどの製品のコンポーネント(部品)は輸入されることが多いため、新政権は、(1)全輸入コンポーネントで米国で組み立てられる製品、(2)コンポーネントから全て米国で製造された製品、または(3)それら両方のコンビネーション(組み合わせ)、のいずれにインセンティブを与えるかどうかを決定する必要があります。 太陽光発電産業においては、米国で組み立てられた太陽電池モジュール(太陽光パネル)の90%以上が輸入セル(発電素子)を使用しているため、定義の明確な設定はとても重要になります」、と米太陽光発電市場のリサーチ・コンサルティング会社・SPV マーケットリサーチの創立者・チーフマーケットリサーチアナリストであるポーラ・ミンツ氏は、今後の産業政策の行方に注目する。

 トランプ前政権では、国内生産を活性化させるために輸入関税が課された。

 中国などからの安価な太陽電池製品の大量流入により、米国内で生産していた太陽電池メーカーは収益性が悪化し、次々と事業から撤退、または破綻に追い込まれた。国内製造業を保護するため、前政権は2018年1月、結晶シリコン太陽電池 (CSPV)の輸入製品に対して4 年間にわたり関税を課すことを決定した。

 米国国際貿易委員会(ITC)のデータによると、2019年に輸入された2.5GWのセルを国別に見てみると、韓国が半分以上の55%のシェアを占め、大きく離れて台湾、日本、そしてベトナムが続いている。

 2020年の年間データはまだ発表されていないが、2020年1月から9月までのデータを見てみると、2019年に続き韓国が依然として50%以上を占め、中国、台湾、そしてベトナムという順になっている(図2)。

図2●米国における国別の太陽電池セル・輸入量の推移
(出所:US International Trade Comission)
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 2018年までは台湾とマレーシアからのセルが大半を占めたが、韓国製セルの増加は、米国内での韓国メーカーによるモジュール組み立て製造の拡大が反映されている。

 前トランプ政権による関税措置の発表後、複数の大手メーカーが米国内での生産拡大を表明した。その中には韓国のメーカー2社が含まれていた。

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