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パナに続き、LG電子が太陽電池から撤退、日韓老舗企業「挫折」の背景

中国勢の参入で、高効率「プレミアムパネル」の将来は?

2022/03/08 05:00
Junko Movellan=ジャーナリスト
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2017年以後、単結晶が多結晶を逆転

 先月末、韓国LG Electronics(以下=LG電子)が、今年6月末までに太陽光パネル事業から撤退すると発表した。近年太陽光発電産業から去った他の太陽光パネルメーカーのように、LG電子の撤退理由は、中国メーカーによる低価格攻勢で採算が悪化、これにプラスして、ポリシリコンなどの原材料コストが上昇して事業環境が悪化してしまったからである。

 米国でLG電子の太陽光パネルと言えば、設置面積が少ない住宅の屋根で、より発電量を稼げる、いわゆる「高効率」、「プレミアム」パネルとして知られている(図1)。

図1●米国の住宅用市場で好評であった韓国LG電子製の高効率パネル
図1●米国の住宅用市場で好評であった韓国LG電子製の高効率パネル
(出所:LG Electronics)
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 米太陽光発電市場のリサーチ・コンサルティング会社・SPV マーケットリサーチによると、「『単結晶シリコン』の太陽光パネル出荷量が初めて『多結晶シリコン』を抜いたのは2017年」で、同社は同年12月には発表していた。

 2000年初頭は、単結晶シリコン型は高効率だが高価なため、安価な「多結晶シリコン型」が価格競争で優位性を示していた。しかし、2016年にパネルメーカーが、p型単結晶シリコンを使った「裏面不動態型セル」(PERC: Passivated Emitter and Rear Cell)の生産を本格化し始め、パネルメーカーが「プレミアム」パネルに移行した。2017年にはPERCの商業生産が拡大し、高効率化と共に価格が低下して単結晶シリコンのシェア拡大に貢献した。

 それに先立つ2015年には、n型の単結晶シリコン型太陽電池セル(発電素子)を活用したLG電子と、米サンバワーの「バックコンタクト(IBC)」、さらにパナソニックのヘテロ接合型太陽光パネル「HIT」が市場でプレミアム価格を発揮していた。

 しかし、2022年現在、当時「プレミアム価格」を享受できたこれらの「プレミアム」パネルメーカーが、太陽光発電産業から撤退し、パネル生産を止めている。

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